2024-03-26 10:50:41 更新

外壁塗装の相場|坪数ごとの塗装費用&工事単価が分かる!相場より安く抑えるコツも紹介

外壁塗装の相場|坪数ごとの塗装費用&工事単価が分かる!相場より安く抑えるコツも紹介
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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いつも紫外線や風雨にさらされている住宅の外壁は、どうしても劣化を避けられない場所です。このため基本的には、10年に1回程度は再塗装工事が必要になります。外壁が傷んだり色褪せたりしてきて、そろそろ塗り替えないといけないとお考えの方もいるでしょう。
しかし、実際に外壁塗装工事を業者に依頼しようとすると、相場が分からなくて悩んでしまう方が多いのではないでしょうか。実は、外壁塗装にかかる費用はいろいろな要因で変動するため、相場が分かりづらい工事の1つです。外壁塗装で失敗しないために必要な工事を把握し、それに見合った費用相場を知って、信頼できる業者を選べるようにしましょう。

目次閉じる

1 . 外壁塗装の相場

2 . 費用の内訳

3 . 費用相場の差が生まれる要因

4 . 相場よりも費用を抑える方法

5 . 見積もりを取るときのポイント

6 . 外壁塗装の内訳と差が出る要因を知って、納得のいく工事をしましょう

1 . 外壁塗装の相場

明確には出しにくい外壁塗装の相場ですが、目安として平均的な30坪の一戸建ての場合で70万~100万円ほどと言われます(ここでいう30坪とは、床面積を合計した坪数である延坪の数値です。つまり平屋なら30坪、2階建てなら15坪、3階建てなら10坪の住宅を指します)。
業者や住宅の環境などによって費用の高低はありますが、まずは大まかな相場としてこの金額を中心に考えるといいでしょう。

1-1 外壁塗装に定価はない?費用相場が分かりづらい理由

30坪一戸建ての外壁塗装の費用相場は70万~100万円ほどですが、これは定価ではありませんし、「これくらい」の時点で30万円も開きがあると少し不安を感じる方もいるかも知れません。しかしこればかりは、ハッキリとした定価を出すことができないのです。
なぜなら、外壁塗装はその住宅ごとにオンリーワンの工事を施す必要があるからです。
例えば、病院で治療を受けるときのことを思い出してみてください。風邪だとしても熱や咳などの症状によって処置や投薬に違いがあるので、治療方法はオンリーワンとなり、医療費は毎回変わりますよね。また、風邪だと思っていたらインフルエンザにかかっていて、思っていた以上に医療費がかかってしまった経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
外壁塗装もこれと似ていて、住宅の広さや壁材の種類、使用する塗料などで大きく金額が変わりますし、塗装する前の調査で外壁自体の傷みや劣化が見つかれば、これを修理してからでなくては塗装の作業に入れません。塗装以外の修理費用も必要になった結果、想定以上に費用が嵩んでしまう可能性もあるのです。

さらに、外壁塗装は1回塗って終わりなのではなく、下塗り、中塗り、上塗りの3回施工することが基本です。
下塗りはベース用の塗料で壁材の保護力や次に塗る塗料の定着力を高め、中塗りと上塗りは同じ塗料を塗って発色よくしっかりした塗膜を作ります。ところが、悪徳業者の中にはこの塗装工程を手抜きするところもあるのです。この手抜きの分だけ安い金額を提示し、お得感を演出することもあるため、相場より安いからといって良い業者とは限りません。

相場が分かりづらいことは不便に感じるかも知れませんが、それだけ住宅ごとにふさわしい塗装ができるということなので、ポジティブに捉えて好みの塗装をしてくれる業者を探しましょう。

1-2 10~100坪の外壁塗装の平均費用相場

ここまでは平均的な30坪の住宅の費用相場で説明してきましたが、それ以外の坪数の相場が気になっている方も多いのではないでしょうか。
以下に10~100坪までの外壁塗装の平均費用相場をご紹介するので参考にしてください。注意点として、どのような坪数であっても外壁塗装がオンリーワンの工事になることは変わらないため、やはり定価を出すことは難しく、こちらも相場でのご紹介となります。
また、坪数が延坪であることも同様です。建坪が20坪の場合、平屋なら20坪、2階建てなら40坪、3階建てなら60坪の相場を参考にしてください。


この価格表をご覧になれば気づくかも知れませんが、おおよそ10坪増えるごとに塗装面積は約40㎡増え、相場は30万円程度高くなる傾向があります。

坪数が小さくても人件費のように最低金額が変わらない部分もあるため一概には言えませんが、この法則を使えば25坪なら相場は65万~85万円、35坪なら相場は85万~105万円、45坪なら相場は105万~135万円くらいと目星が付けられます。1階が20坪、2階が15坪で延坪35坪のような場合は間を取って参考にしてください。
日本の一般的な戸建て住宅は15~50坪くらいですから、外壁塗装にかかる費用は平均的な30坪で70万~100万円くらい、それ以外の坪数であっても100万~150万円くらいの範囲に収まると覚えておくといいでしょう。

2 . 費用の内訳

塗装の良し悪しはプロであっても見極めが難しいものです。さらに費用相場が分かりづらいとなると、外壁塗装を依頼すること自体を躊躇ってしまうかも知れません。しかしそれは、費用を1つの「かたまり」として見ているからです。
外壁塗装にかかる費用には、大きく分けて4つの項目があります。そして外壁1㎡あたりの塗料代や職人さんひとりあたりの人件費など、それぞれに相場があります。これを単価相場といいます。
内訳と単価相場を知っておけば、高過ぎるとか安過ぎると感じたときに不審な点がすぐ割り出せます。この表は、30坪の住宅における外壁塗装の単価相場を表しています。

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2-1 材料費

資材にかかる費用が材料費で、まず塗料代が挙げられます。
塗料は耐用年数ごとにグレードがあり、1つのグレードの中にもたくさんの種類があります。それぞれの塗料ごとに適した壁材や気候条件が違いますので、住宅に合わせた塗料を選んで使用します。材料費の中でもっとも差が出やすい資材ですが、おおよその単価相場は2,500円/㎡で、30坪だと平均で30万円前後になります。
このほか、外壁の補修に使用するコーキング材も材料費に入ります。コーキングとは壁材のつなぎ目やひび割れなどを埋めるための補修作業。
「外壁塗装しか依頼していないのに、なぜ補修までするの」と疑問に思われる方もいるかも知れませんが、外壁の気密性や防水性をしっかり回復しておかないと塗料が壁材や住宅の中に入ってしまいますし、雨漏りの原因にもなってしまうため欠かせない作業なのです。おおよその単価相場は800円/㎡で、30坪だと平均で10万円前後になります。

そして、塗装工事中に使用する養生の資材と塗料の飛散防止ネットも材料費に入ります。養生とは、作業中に傷や汚れから守りたい部分を保護する作業です。おおよその単価相場は養生が300円/㎡で、30坪だと平均で3万8,000円前後、飛散防止ネットが200円/㎡で、30坪だと平均で2万5,000円前後になります。
これに加えて、こびりついた汚れやコケ・カビなどを除去する高圧洗浄を行った場合も材料費に加算されます。業者が使用する高圧洗浄機は市販のものより出力が大きいため、壁材にダメージを与えないか確認しましょう。おおよその単価相場は養生と同じくらいの300円/㎡で、30坪だと平均で3万8,000円前後になります。

2-2 人件費

人材にかかる費用が人件費で、職人さんの工賃のほか、営業担当者への対価なども含まれます。建築業界では1日8時間の作業をしてかかる1人あたりの人件費を「人工(にんく)」と呼び、国土交通省が毎年公表しています。

職人さんの工賃は日給で計算されているため、「職人さんの人数×工事日数×人工」で費用が出せるという訳ですね。職人さんの適切な人数は作業によって異なりますが、30坪の戸建て住宅の外壁塗装なら足場の組み立てに3人ほど、下塗り作業に2~5人ほど、中塗りと上塗り作業に2~3人ほどが一般的で、10日前後の作業になることが多いです。人工の単価相場は2万~3万円ですから、30坪の一般的なケースでは30万円前後となります。
人件費があまりにも安い業者は、必要な工程を削る「手抜き工事」をしたり、工期が延びたりする可能性があるため、必要な人数をきちんとそろえて作業しているか確認してください。

2-3 足場代

安全な作業を行うために欠かせない足場を組み立てる作業の費用です。建築現場では重要な作業で、外壁塗装でも必ずといっていいほど必要になります。
工事費用全体の1~2割ほどかかりますが、最後には片付けてしまうものなのであまりお金をかけたくないと考える方も多いようです。しかし足場をしっかり組むことで職人さんの安全が確保されるだけでなく、安定感があると職人さんが集中して丁寧に作業ができるため、依頼した側にもメリットがあります。足場代を節約しようと考えるのは、危険なのでやめましょう。

足場は住宅の外周よりひとまわり余裕を取って設置するため、塗装面積より少し大きめに計算します。足場の面積を出す計算式は、塗装面積×1.3倍と覚えておくといいでしょう。おおよその単価相場は700~1,000円/㎡で、30坪だと平均で20万円前後になります。

2-4 その他費用

内訳の中でもっとも気をつけなければならない項目がこの「その他」です。
職人さんの交通費や駐車場代、事務手数料など、作業に付属して必要になる費用を指しますが、見積書にはまとめて「その他」と書かれている場合もあるため、不当な金額を上乗せされていても分かりにくいのです。中には、わざと分かりにくくして過剰な請求をしている業者がいる可能性もあります。

どの項目にどれだけの費用がかかっているのかしっかり確認して、分かりにくい「その他」については遠慮せずに質問しましょう。このときハッキリ説明してくれなかったり、ごまかそうとしたりする業者には依頼しない方が賢明です。「その他」の内訳は、主に次のようなものです。

  • 廃材の処理費用
  • 事務手数料、中間手数料
  • 交通費、駐車場代
  • 保険費用
  • 印紙代

30坪であれば、廃材処理に平均で20万円前後、手数料に工事費用の10%前後がかかるため、「その他」は合計で33万円前後かかることが多いようです。
「足場代無料キャンペーン」や「モニターなので塗装が無料になります」というような無料の謳い文句のカラクリは、この「その他」に隠されていることがよくあります。無料と見せかけておいて、分かりづらい「その他」の中に上乗せ分を紛れ込ませているのです。しっかりした作業には、当然ながら対価がかかるもの。無料の誘いにうっかり乗ってしまわないよう気をつけてください。

塗装面積をかさ増しする悪徳業者に注意!計算方法を知って対策しよう

住宅の床面積を表す坪数は1坪が約3.3㎡で、大体2畳くらいの広さです。それでは、同じ坪数の住宅は外壁塗装の費用もすべて同じになるということでしょうか。
もちろん、違います。どの住宅も窓やドアなどの開口部の大きさや数は違いますよね。開口部には塗料を塗らないため、当然ながらこの部分の塗料の費用はかかりません。つまり、同じ坪数であっても外壁の塗装面積は住宅ごとに異なるのです。
しかし、中には「どうせ素人には分からないだろう」と高をくくって、開口部も塗装面積に入れて計上する業者もいます。このような手口を見破るために、外壁塗装の費用を求める計算式を利用しましょう。

塗装面積(㎡)=延坪数×3.3(1坪が3.3㎡)×1.2(比例定数としてかかる係数)

30坪の住宅なら塗装面積は118.8㎡という計算になります。しかしこの値は壁全体を表していますよね。つまり業者がこのままの数字を出してきたなら、開口部も塗装面積に含んでいることになるのです。
数字がおかしいと感じたら、「開口部は塗装面積から引かれていますか」と質問しましょう。

そしてもうひとつ、塗料の使用量も計算式で求められます。塗料は塗料メーカーによって必ず1㎡を塗るために必要となる量が指定されています。この数値を使えば必要な塗料の量が分かるので、塗料にかかる費用も計算できるのです。

手順が3つに分かれるので順番にご説明します。最初に必要となる量を計算で出します。

外壁塗装の必要量(kg)=使用量(kg)×塗装面積(㎡)

この計算で出した必要量を使って、必要になる缶の個数を出します。

必要になる缶の個数=外壁塗装の必要量(kg)÷1缶分の重量(kg)

そして、必要になる缶の個数に値段をかければ、塗料代金が出せます。

塗料代金=必要になる缶の個数×1缶分の値段

30坪の住宅でエスケー化研のプレミアムシリコンを使った場合、15kg缶が2本必要な計算となり、塗料代はおよそ2万8,000円かかることがこの計算式で求められます。プレミアムシリコンを中塗りと上塗りに使った場合は2倍の5万6,000円になります。このような計算式を利用して、業者が適正価格を出しているか確認してみましょう。

3 . 費用相場の差が生まれる要因

外壁塗装工事全体の費用相場、さらにその内訳と単価相場をご覧になって、外壁塗装にまつわるお金の具体的なイメージが持てるようになってきたのではないでしょうか。
しかし、冒頭でもお話したように外壁塗装の定価はありません。ここまでは、ある程度の開きがある相場でご紹介してきました。多くの要因が重なりあって相場を作っており、簡単に必要な費用をお伝えできないことがお分かりいただけたでしょうか。
ここからは、外壁塗装の費用に大きな影響を及ぼす要素について見ていきます。

3-1 塗装面積

塗装面積が広ければ広いほど、より多くの費用が必要になることは先にお話ししましたが、面積が広くなる要因はどこにあるでしょうか。もっとも分かりやすいのは、坪数の大きさでしょう。10坪増えるごとに、塗装面積はおおよそ40㎡増える計算になります。

このほかの主な要因に、階数の違いがあります。延坪で見ると同じ坪数の住宅でも、階数が違うと費用が変わるのです。例えば延坪30坪の住宅では、塗装面積とおおよその費用にどれくらいの差が出るでしょうか。以下をご覧ください。

  • 1階建てなら塗装面積は約90㎡で相場は約40万円
  • 2階建てなら塗装面積は約115㎡で相場は約50万円
  • 3階建てなら塗装面積は約140㎡で相場は約60万円

階数が1階増えるごとに、費用が10万円ほど増えることが分かるでしょう。階層と階層の間には天井と床が入るため、その分高さができて外壁面積が増えるのです。多くの費用相場は一般的な2階建てを基準に算出しているので、3階建て以上の住宅は費用が相場より高額になる傾向があります。

また、住宅は必ずしも正方形の平坦な土地に建てられている訳ではありませんよね。土地が三角形に近かったり、斜面だったりすることもあります。このような場合も、同じ延坪の費用相場より金額が増減することはよくあります。

3-2 塗料のグレード

外壁塗装を考えるとき、もっともこだわりたいのが塗料ではないでしょうか。塗料には耐用年数の違いがあり、品質を保てる期間の長さによってグレード分けされています。
グレードが高い塗料ほど耐用年数が長く、費用も高くなります。選ぶ塗料によって費用相場が大きく変わるのはこのためです。

一般的に外壁の塗り替えに適した時期は10年ごととされますが、これはよく使用されているシリコン塗料やラジカル塗料を使用した場合を想定しています。もっともグレードが低いアクリル塗料だと長くて3年ほどしかもたないので、一見すると安くてお得な塗料に見えるかも知れませんが、結果的には塗り替えの回数が増えて高くついてしまうことが多いです。

外壁塗装に使用する塗料なら、費用が手頃で耐用年数が10年以上あるシリコン塗料やラジカル塗料が適しています。
塗料選びは外壁塗装の楽しみの1つでもあります。理想の住宅をかなえられる塗料をじっくりと検討してください。

3-3 建物の築年数

築年数が多ければ多いほど、住宅の劣化は進んでいます。傷みをきちんと補修してからでなければ塗装の作業に入れないため、築年数の長い住宅ほど費用は高くなります。
とくに、外壁そのものより外壁の骨組みとなっている木材は傷みやすく、古い住宅では補修が欠かせません。延坪30坪の住宅の築年数と費用相場の違いは以下のようになります。

  • 築10年なら外壁・外壁周りを数か所程度の補修で相場は約50万円
  • 築20年なら外壁・屋根・外壁周りを数か所程度の補修で相場は約60万円
  • 築30年なら外壁・屋根・外壁周りを広範囲の補修で相場は約70万円
  • 築40年なら外壁・屋根・外壁周り全体を補修で相場は約80万円

古い住宅ほど費用が高くなっていることがお分かりでしょう。工事を依頼する側としては、「外壁塗装だけしてくれればいいのに」と思うでしょうが、塗装する場所やその周辺が傷んでいると塗料をきれいに塗れませんし、塗料に断熱機能がある場合も外壁に傷みや劣化があると塗料本来の能力を発揮できません。塗装の前段階として、補修作業が重要なのです。

3-4 土地の環境(雨が多い、乾燥している…など)

住宅が建っている土地の環境は、外壁塗装にとって意外と重要な条件になります。日本国内でも気温が高い土地もあれば低い土地もあり、雨や雪がよく降る、乾燥しやすい、潮風にさらされるなど多くの特徴がありますよね。そしてこの特徴ごとに適した塗料が異なるので、費用相場も変化するのです。

塗装は色を塗るだけではなく塗膜で覆って保護する目的もあります。とくに近年はさまざまな機能を持つ塗料が登場しているので、その土地特有の環境から住宅を守ることができるようになっています。
例えば、気温が低い土地で断熱効果のある塗料を使えば寒気から住宅内を守って暖房の効きが良くなりますし、潮風にさらされる土地で塩害に対応した塗料を使えば住宅の傷みを軽減できるのです。

3-5 足場の組み方

安全な外壁塗装のために欠かせない足場には、組み方の種類がいくつかあります。以下に単価相場と特徴をご紹介します。

単管足場・別名、抱き足場

縦横方向に単管パイプを組み合わせただけのシンプルな足場です。足を置く場所が水平方向の2本のパイプのみで、安定感がなく危険度は高めです。耐久力も低く、あまりおすすめできませんが、狭いスペースでも設置できるので隣家との距離が近い場合などには有効です。費用は安めで、単価相場は650~800円/㎡ほどです。

単管ブラケット足場・別名、棚足場

単管足場の枠組みに支えとなるブラケットを取りつけて棚を設置した足場です。単管足場よりは安定感があります。単価相場は800~900円/㎡ほどです。

ビケ足場・別名、くさび式足場、一側足場

現在、住宅の外壁塗装でもっとも普及している足場です。くさびポケットがある支柱とくさびつきの横材をハンマーで叩いて組み合わせます。強度があり、ハンマー1つで組み立てられるため素早い設置が可能です。足を置く棚を広めに取れるので安定感があります。

「ビケ足場」とはもともと国内最初のくさび式足場の商品名で、この足場が広まるうちにくさび式足場そのものを指すようになったようです。「ビケ」の由来は建築現場を美しく形作るという意味を込めた「美形」からきているといわれます。単価相場は850~1,000円/㎡ほどです。

枠組み足場・別名、ビティ足場

縦横方向に加えて斜め筋交いにもパイプを組んだ足場です。溶接で組み立てるため、かなりの強度があり、高い階数まで組み上げられます。

ビルなどの高層建築に使われることが多い足場ですが、ビケ足場では対応できない高層階がある戸建て住宅にも使われます。単価相場は1,000~1,500円/㎡ほどです。
足場にかかる費用は単価で見れば数百円の違いですが、住宅の外周全体に設置すると数万円の差が出てきます。しかし、足場費用を抑えようとするのはオススメできません。足場が不安定だと職人さんが集中できず、塗装にムラが出るほか、作業が雑になる可能性が高くなります。

職人さんに存分に技術を発揮してもらうためにも、足場はしっかりしたものを選びましょう。

3-6 業者の規模

外壁塗装を請け負う業者は大きく分けて3種類あります。依頼した業者によって大きく費用が変わることも多いため、複数の業者から見積もりを取って選ぶことが大切です。

大手工務店

大手工務店はブランド力があり、施工実績も多いのが特徴です。塗装以外の補修工事などもまとめて依頼でき、手間がかからないところは魅力的でしょう。ただし、作業によっては下請け会社に仕事を回すこともあり、その分の仲介手数料で費用が膨れ上がることも。

アフターケアまでしっかりしているので安心感がありますが、他社より数十万円以上も高額になることも珍しくないので、費用を抑えたい方には不向きかも知れません。

大手塗装会社

塗装を専門に行う業者です。施工実績が多く、塗装に関しては信頼して間違いありません。しかし、塗装以外の補修工事などは苦手なので、下請け会社に回すことがほとんどです。

むしろ「補修もやります」と言ってくる塗装業者は、質の低い補修工事をする可能性が高く、信頼しない方が賢明でしょう。補修する部分が多いと仕事を回す下請け会社の数が増えて仲介手数料が膨れ上がるため、塗装以外の工事が多いときには避けるべきかも知れません。

地元密着の塗装業者

地域の人たちの役に立ちたいと考えている業者が多く、丁寧な作業をしてくれることがほとんどです。一度関わったらいつでも気軽に相談できる、住宅のかかりつけ医のような存在になってくれるでしょう。代表者本人が現場で作業したり監督したりするので、下請けに仕事を回すこともなく、仲介手数料がかからないところも魅力です。

ただし、あまり有名ではない業者がほとんどなので、見つけにくいのが難点。一括見積もりサービスなどで探してみるといいでしょう。

3-7 意外と高い付帯部分の工事

築年数のところでもお話しましたが、塗装作業の前に住宅の劣化や傷みを補修する必要があります。このため、塗装以外の作業にも費用はかかります。これを付帯工事費といい、具体的には雨樋の交換やシーリング補修、ベランダの防水、業者の手数料などが含まれます。
付帯というとおまけのように感じるかも知れませんが、侮ってはいけません。築年数が多かったり、災害などで突発的な破損があったりすると補修や交換作業が増え、あっという間に数十万円まで膨れ上がることも珍しくないのです。このため、補修や交換を勧められるままに受け入れるのではなく、本当に必要なのかをじっくり考えて取捨選択することも大切です。

付帯工事費はさまざまな作業の費用が含まれるため複雑になりやすく、これを逆手に取って不当な請求や相場より高い費用を紛れ込ませる業者もいます。たくさん項目があって大変ですが、見積もりは隅々まで確認してください。

4 . 相場よりも費用を抑える方法

納得いく外壁塗装をしてもらうためには、それなりの費用をかける必要があります。それでも、安く済ませられるならそれに越したことはありません。そこで、外壁塗装の費用を上手に抑える方法を4つご紹介します。上手く組み合わせれば10万円単位で安くすることも可能ですから、「外壁塗装したいけど極力費用は抑えたい」と悩む方はぜひ参考にしてみてください。

4-1 火災保険を活用する

火災保険を適用できると、外壁塗装の自己負担額を20万円ほど安くできる可能性があります。火災保険には大きく分けて3種類あり、それぞれ保証の範囲や対象が違うため、必ず加入している保険の種類を確認しましょう。
火災保険の種類と補償範囲、特徴は以下の通りです。

  • 火災保険:家屋や家財など・補償対象は火災、落雷、強風、雪、爆発など
  • 総合保険:家屋や家財など・補償対象は火災保険に加えて盗難や落書きなど
  • オールリスクの火災保険:家屋や家財、街灯など・補償対象は総合保険に加えてガラス破損など

ここで注意したいのは、経年劣化は補償の対象にならないことです。保険はあくまで予期せぬ事態に備えるためのもであり、必ず起きる経年劣化に適用されないのは仕方ありません。

外壁塗装に火災保険が適用されるケースは、災害や事故によるものがほとんどです。
ただし、経年劣化と思い込んでいた破損部分が実は台風で壊れたものだったというパターンもあります。このような原因の判断は、専門のスキルがなければできません。気になる破損部分があるときは、保険会社に認められた鑑定士である損害保険鑑定人に見てもらいましょう。
もしかしたら保険の適用対象と鑑定されるかも知れません。被害発生から3年以内という条件付きであることが多いため、申請は先延ばしにしないことが大切です。また、「火災保険を使えば補修が無料」というような誘い文句には注意しましょう。

申請代行をしておいて高額な手数料を要求してくる業者もいるので、「無料」は常に疑ってかかるようにしてください。

4-2 自治体の助成金を活用する

自治体の助成金・補助金を適用すれば、10万~20万円ほど受け取れます。自治体ごとに違いがありますが、多くの場合、外壁塗装費用の約1割、10万~20万円を上限に助成しています。
申請には必ず条件がありますが、これも自治体ごとに違いがあり、そもそも助成金制度を設けていないことも。助成金の申請を検討するときには、事前にお住まいの自治体のホームページで内容を調べましょう。

申請の条件としてよく挙げられているのは「断熱工事を施すこと」で、実際の工事内容としては外壁や屋根に遮熱塗料を使用する、二重窓にするなどの例があります。
自治体は断熱工事を助成する理由は、それが環境に優しいためです。
住宅の断熱性が高まると住宅内は外気の影響を受けにくくなり、冷房や暖房の使用頻度を下げられます。すると電気やガスの使用量と二酸化炭素の排出量が減り、結果として都市部の気温が高温になるヒートアイランド現象を抑えることにつながるというわけです。このため、断熱工事は省エネ工事とも呼ばれます。

自治体のホームページには、助成金の説明が大変分かりづらく、そもそも案内を見つけることすら難しいものも少なくありません。そんなときは、助成金・補助金に詳しいスタッフがいる塗装業者を選ぶのも1つの手です。申請手続きをしてくれることもあるため、上手に活用しましょう。

4-3 住宅ローン減税を活用する

住宅ローン減税を適用すると、最大で40万円を所得税から減額できます。この制度の正式名称は「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローン控除と呼ばれることもあります。新しく住宅を買ったときしか適用されないと思っている方が多いようですが、一定の増改築やリフォームを施した場合も含まれるため、外壁塗装も対象になります。

いくら減額されるかは、年末時点の住宅ローン残高で決まります。この金額の1%が所得税から減額され、その上限が40万円となっているのです。減額期間は基本的に10年間ですが、消費税引き上げにともなって13年間に拡充する措置も取られています。

一般的な住宅の外壁塗装で最大額の40万円まで減額されることはほぼありませんが、少しでも節税できるならうれしいですよね。適用には以下のような7つの条件があります。

  • 登記上の床面積が50㎡以上である(所得により40㎡以上で適用可能)
  • 返済期間が10年以上の住宅ローンを組んでいる
  • 住宅の所有者であり、その住宅に居住している
  • 合計所得額が3,000万円以下である
  • 工事から半年以内に居住している
  • 増改築やリフォームの場合、工事費用が100万円以上である
  • 中古住宅の場合、耐震基準をクリアしている

「条件を満たしているから活用したい」と思われた方は、年末調整と確定申告を忘れず行ってください。住宅ローン減税は住宅の所有者が自己申告することで適用されます。自動的に減額されるものではないので注意しましょう。

4-4 屋根の塗装は外壁と同時に実施する

実は、外壁塗装と屋根塗装を同時に行うと、20万円ほど安くできる計算になります。なぜなら、別々に塗装した場合は2回分必要になる足場代が、同時に行えば1回分で済むからです。
費用相場の差を生み出す要因のところでもお話ししましたが、足場は職人さんの安全を守って質の高い作業をしてもらうために欠かせないもの。足場代を節約して簡素なものにしたり、足場なしで依頼したりするのはオススメできません。

塗装工事にしっかり安定した足場は必要不可欠と覚えておいてください。だからこそ外壁と屋根を同時に塗装して、きちんとした足場を1回分組むことが、職人さんにとっても依頼する側にとってもメリットが大きいのです。

屋根も外壁と同様、10年ごとに塗装し直すのが理想なので、築10~15年ほど経っていてまだ再塗装をしたことがない住宅は、外壁と屋根の塗装工事を同時に行うのに良い時期といえるでしょう。

5 . 見積もりを取るときのポイント

外壁塗装は住宅ごとにオンリーワンの作業を施すため、見積もりを取って、詳細な費用を確認する必要があります。しかし実際に見積書を見てみると、塗装そのもの以外の項目もたくさんある上に専門用語がちりばめられており、分かりにくいと感じる方がほとんどでしょう。あえて分かりづらい見積書を作り、不当な費用を紛れ込ませる業者がいるのも事実です。

そこで、隠された悪意や不誠実さを見抜いて納得のいく外壁塗装が依頼できるようになる、上手な見積もりの取り方と見積書を見るときのポイントをご説明します。

5-1 複数の業者の見積もりを比較する

見積もりを取るときに必ずしてほしいのが、「相見積もり」です。
これは複数の業者にまったく同条件の見積もりを依頼すること。1つの業者だけに依頼すると比較対象がなく、渡された見積もりを確認しても適正なのかあるいは高過ぎるのか安過ぎるのか見当が付きませんよね。しかし、相見積もりを取れば業者ごとに比較できるため、不審な業者をすぐに割り出せます。

相見積もりは、悪徳業者を契約前に選択肢から外すことができる有効な手段なのです。
とはいえ、相見積もりを依頼する業者の数は、3~4社くらいに抑えましょう。2社だけでは比較対象として少な過ぎますが、4社より多くなると見積もり内容が重複する上、その割に連絡の手間ばかりが増えてデメリットが大きくなるためです。
心がけてほしいのは、相見積もりの内容を他社に教えないことです。なぜなら、他社の見積もりを知った業者はその金額よりも安くして契約を取ろうとする可能性があるからです。見積もりはその業者が無理なく作業できる金額を提示しているものなので、そこから安くしたらどこかの工程が手抜きになったり飛ばされたりするかも知れません。

相見積もりで得た情報は、あくまで自分自身の比較検討のために利用しましょう。

5-2 「諸経費」の内訳も確認する

費用の内訳のところでもっとも気をつけてほしいとお話しした「その他」が、この諸経費です。工事そのものに関わる費用以外のすべてが諸経費に含まれるため、内容は多岐にわたりますが、大きく分けると「現場経費」と「一般管理費」の2つに分かれます。先に列記した費用以外に、現場経費には作業車両のガソリン代や作業工程を記録する写真代などが、一般管理費には広告宣伝費や事務所家賃などが含まれます。
とくに一般管理費は、企業の継続に必要な経費であり明確な内訳を出すのは容易ではありません。そのため、見積書には「その他」とか「諸経費」としか書かれていないケースもよくあります。
必ずしも悪意があって「その他」と書いている訳ではないので、内訳を書いていない場合は遠慮なく質問しましょう。それに誠意をもって回答してくれる業者は、工事も真面目に行ってくれるはずです。

ただし、諸経費の目安は工事総額の5~15%程度。これを大きく超えている場合は、不当な費用を上乗せしている可能性があります。あやしいと感じたら詳しい説明を求めましょう。

5-3 見積書のここをチェック!

見積書には優良業者と悪徳業者を見分けるためのヒントがたくさん隠されています。次からは、どこに注目すればそれが分かるのかご説明します。

5-3-1 施工内容が項目ごとに記載されているか

見積書の項目が多いとチェックが大変ですが、それではシンプルにまとめてある方がいいのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。業者によっては作業内容を「一式」とか単位を「式」などと書いて、ざっくりとひとまとまりにした工程の見積もりを出すところもありますが、このような業者は疑ってかかりましょう。
なぜなら、単に「一式」では、作業や資材にかかる費用がまったく分からないからです。同じように、外壁以外の補修にかかる付帯工事費をひとまとまりにしてしまう業者にも気をつけてください。付帯工事費の内訳が書かれていないということは、頼んでいない作業の費用が含まれていても分からないということです。

もしかしたら本当は必要ない作業や資材まで紛れ込ませて、費用を上乗せしているかも知れません。「塗装工事一式」とだけ書いてあったり、塗料や足場の単位が「式」になっていたりしたら要注意です。
信用できる業者なら、外壁塗装の項目をきちんと「高圧洗浄」や「塗装」というように分けていたり、単位を「㎡」で書いていたりします。また付帯工事費は、どこにどのような資材を使って作業を行うか細かく書いてくれるはずです。

項目の中でも「足場設置」「下地処理」「下塗り」「中塗り・上塗り」は外壁塗装の柱となる工程なので、見積書にも分けて書くのが基本です。この4つの工程を見積書にそろえていない業者は、誠実さに欠けるところがあるかも知れません。

5-3-2 塗装面積は正確か

相見積もりを取ってデータを比較すると、塗装面積にバラツキが見られることがあります。これは、きちんと実測していない業者がいるためです。坪数からおおよその塗装面積は出せるので、その数値をそのまま見積もりに載せているのです。

しかし実際の住宅は階数や建っている土地の形状で塗装面積に違いがあります。さらに、塗装面積から除外される窓や玄関などの開口部も住宅ごとに数や広さが異なります。だからこそ外壁塗装はオンリーワンの作業になるのですが、それを度外視して坪数の概算だけで見積もりを出す業者は手抜きをしていると言わざるを得ません。
正確な塗装面積を知る方法として、住宅を建てたときの建築図面から計算することも可能ですが、プロに測ってもらうのが一番でしょう。つまり、見積もりを取ったときに実測に来てくれた業者が信用できる業者であり、その業者が出した塗装面積がもっとも正確なのです。

5-3-3 塗料の商品名が明示されているか

塗料の商品名とメーカー名がきちんと書かれているかどうかは、重要なチェック項目です。
塗料はグレードが高いほど高価になりますが、同じグレードであっても商品ごとに価格は違うからです。信用できる業者なら少なくとも商品名は見積もりに書いてくれます。見積もりに「シリコン塗料」のようなグレードしか書いていない場合は、なんという商品を使うのか質問してみてください。

中にはオリジナル塗料を使うという業者もいますが、これは品質が悪いか割高のものが多いため、あまりオススメできません。日本では、大手メーカーが塗料を大量生産しているため、品質が良く手頃な価格の商品が流通しています。割高なオリジナル塗料を使うメリットはさほどないので、業者の口車に乗せられないよう気を付けてください。

5-3-4 保証書があるか

きちんとした保証がないまま外壁塗装を依頼すると、手抜き工事をされてすぐに不具合が生じた場合、また高い費用を払って工事をし直すしかありません。
そして保証があったとしても口約束だけだと、やはり保証が履行されることはありません。意外と忘れがちですが、重要なのは保証を確認した上で保証書として書面に残してもらうことです。

署名と捺印がある保証書は正式な証拠書類となるので、何らかのトラブルが発生したときには素早い問題解決の切り札になります。また、保証書があれば依頼者と業者の間で保証内容の解釈を一致させられるので、トラブルが起きても無用な争いを避けることができます。

見積もりを取ったときには、保証書があるかどうかもぜひ確認してください。
もちろん、どんな不具合でも保証される訳ではありません。一般的に、外壁塗装では塗料の剥がれやふくれなどが保証の対象としています。保証の期間は塗料のグレードによって異なりますが、耐用年数約8年のシリコン塗料なら、3~5年程度が目安となります。
また、保証の対象外となる免責事項を定めていることも多いので、保証書は最後まで読みましょう。多くの場合、火災や災害などによる被害は免責事項とされています。このような不測の事態に備えるなら、火災保険に入っておくことをオススメします。
このほか、車をぶつけてしまったなどの人為的な事故や、ずさんな管理で劣化が進行した結果の不具合などは保証の対象外になることが多いです。保証を有効に使うためにも、外壁のメンテナンスは忘れず行いましょう。
アフターケアがしっかりしている大手工務店などでは、頼まなくても保証書を渡してくれるところもありますが、地域密着型の小さな業者だと保証書を作る習慣がないところも。どんなに腕の良い業者でもトラブルが絶対に起きないとは言い切れません。保証書を出す気配がないときには自分からお願いして作ってもらいましょう。

5-3-5 根拠不明な値引きがされていないか

キャンペーンやモニターなどと称して、10万円単位の大幅な値引きがされている場合は注意が必要です。そこだけを見ると得をしているように感じるかも知れませんが、ほかの項目もくまなくチェックすると、相場より高額な見積もりになっている項目を見つけられることがあります。

また、諸経費に不当な費用を入れて簡単には分からなくしてしまっている可能性もあります。値引きでお得感を与えて判断力を鈍らせ、契約を取ってしまおうという業者の得意な手口です。このような値引きがされている見積もりは、結果的に総工事費が相場と同等だったり、相場より高額になっていたりすることがほとんどです。
実際のところ、塗料や足場の価格、人件費などは金額が決まっているので値引きはほとんどできません。値引きできるところといえば、多くても総工事費の15%ほどしか占めない諸経費くらいですので、10万円以上も値引きをしたら業者の利益はとても少なくなってしまいます。この点から考えれば、大幅な値引きは明らかにあやしいと分かりますよね。

不審な見積もりを見破るためにも、業者を選ぶときには相見積もりをして複数の業者の価格を比較してください。

【Q&A】
Q. 相場よりもかなり安い見積もりを提示されました。信じていいのでしょうか?

**A. **
安過ぎる見積もりには注意が必要です

外壁塗装は決して安くはない工事ですから、誰もがなるべく費用を抑えたいと考えるのは当然のことです。しかし、その心につけ込む業者もいるので、提示された金額が相場よりもあまりにも安い場合は注意しましょう。
このような業者は初めに「割引があります」「お得です」と言ってとにかく契約させておいて、あとから追加費用をどんどん上乗せして最終的に相場よりもかなり高い金額を請求してくることがあるのです。

本当に安く済んだ場合でも、手抜き工事のリスクが付きまといます。不自然なほどに安い理由は、その分だけ塗料の質を落としているとか、重要な工程を飛ばしているとか、誠意のない作業をしているからなのです。このような工事をされてしまうとすぐに再塗装が必要になってしまう上に、住宅そのもの傷ませてしまうことにもなります。

目安として、30坪の住宅で外壁に加えて屋根の塗装も一緒の工事でありながら、60万円以下を提示してくる場合は疑った方がいいでしょう。また前述の通り、外壁塗装は住宅ごとに違いがあるオンリーワンの工事。プランやパック商品として定価で格安の金額を提示してくる業者もあやしいと思った方がいいでしょう。
普段は「だまされないぞ」と気を付けている方でも、外壁塗装の剥がれや劣化が気になって不安なときにこうした業者に会ってしまうと、うっかり契約してしまうことは珍しくありません。だからこそ、台風や地震などで住宅が傷んでいるときを狙って訪問営業に現れます。そして「いまだけの割引プランです」などと言葉巧みに契約を急かしてくるので、心惹かれる提案であっても即決せず、「ほかの業者と比較してから考えます」と伝えて帰ってもらいましょう。

このような手口にだまされないためにも、相見積もりを取ることと費用相場を把握しておくことは大切です。見積もりを取ってもらうと契約しなければいけないと思ってしまう方もいますが、外壁塗装で見積もりを出してもらうのは普通のこと。遠慮せずに気になる業者からはどんどんを見積もりを取って比較検討の材料にしてください。

6 . 外壁塗装の内訳と差が出る要因を知って、納得のいく工事をしましょう

外壁塗装は住宅ごとのオンリーワンの工事であるため、費用の差が大きく、相場が分かりづらいものです。しかし、その内訳と差が出る要因を知っておけば難しいものではありません。
内訳は大きく材料費、人件費、足場代、その他の諸経費に分かれ、これらの内訳の費用は塗装面積、塗料のグレード、建物の築年数、土地の環境、足場の組み方、業者の規模、付帯工事などによって変わります。総工事費の相場は一般的な30坪の住宅で70万~100万円ほどになるので、火災保険や自治体の助成金・補助金、住宅ローン減税などを利用して賢く費用を節約しましょう。
また、口の上手い業者にだまされないことも大切です。複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりでデータを比較検討し、あやしい業者は早めに切り捨ててください。見積もりをチェックする上で重要なポイントは、施工内容が工程ごとに分かれているか、塗装面積は正確か、保証書があるか、不自然な値引きがされていないかといった点です。

外壁塗装の相場と注意点を知って、納得のいく塗装工事を行ってください。

外壁塗装の窓口で相場チェックしてみませんか?
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