プロが答えるよくある質問

外壁の吹き付け塗装|種類と方法、ローラー塗装との違いは?

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別の記事で、外壁を塗装する工法には3種類あることを紹介しました。ここでは、その中の1つである「吹き付け塗装」について、詳しく説明していきます。

ひと昔前までの外壁塗装では、この吹き付け塗装が主流でした。様々な背景から以前ほどの需要は無くなってきましたが、この工法でしか実現できない仕上がりがあることをはじめ、いくつかのメリットがあります。吹き付け塗装について理解を深めていただいた上で、採用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

1 . 外壁の吹き付け塗装とは?

ローラーや刷毛などを使って手塗りしていく塗装に対して、空気圧により塗料を粒子状にして、あるいは塗料に直接圧力をかけながら壁面に吹き付けて塗装していくのが吹き付け塗装です。

一般住宅に採用される外壁としてはモルタルが主流だった1980年代頃までは外壁塗装といえば吹き付け塗装でした。サイディングが普及した1990年代以降はローラーを使用した手塗りが主流となりましたが、優れたデザインを実現でき、多彩で独特の趣ある仕上がりになる吹き付け塗装には、いまなお根強い人気があります。

 

1-1 吹き付け塗装の種類

吹き付け塗装にはいくつかの種類があり、その選択に応じて仕上がりはまったく違ってきます。ここで紹介するのはモルタル外壁に用いられていた塗装・仕上げ法ですが、サイディングに応用することも可能です。

 

1-1-1 一般的な仕上げ

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いわゆる「打ちっぱなし」とも呼ばれる仕上げです。立体感が無く無機質な雰囲気になりますが、あえて採用して、その趣きをデザインとして活かしているオーナーさんもいます。また様々に手を加えることでオリジナルデザインの壁面に仕上げることや、上から塗装で色を付けすることなどもできるので、完成後の自由度が高い仕上げ方と言えるでしょう。

 

1-1-2 リシン仕上げ

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砂壁のようなザラつきを付ける仕上げで、国内では40~50年程前には広く普及し、公共住宅などでも多く採用されていました。1970年代以前に生まれた人なら馴染み深いかも知れません。

「骨材」という砂状の材料を塗料の中に混ぜて吹き付けることで、あの独特の質感が生まれます。骨材の大きさを変えることで仕上がりも変わっていきます。

リシン仕上げに用いる基の塗料の主流であるアクリルは、完成後に塗膜が膨らむことから耐久性が低く、経年するとひびが入りやすいというデメリットがありました。しかし、その難点を改善した弾性の高いリシンも販売されています。耐用年数は4~6年、弾性の高いリシンで8~10年が目安です。

 

1-1-3 スタッコ仕上げ

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いわゆるリシンの厚塗りバージョンのような仕上げで、骨材と共にセメントを混ぜた塗料を吹き付け、仕上げていきます。

少々固まったタイミングで塗料を押さえながら独特のデザインを施していく「押さえ仕上げ」のほか、塗料を吹き付けずにコテで塗りつける工法もあり、多彩な仕上げ方ができるのが特徴です。

耐用年数はリシンと同じアクリルの基材の塗料を使用すると4~6年、セラミック系塗料を採用すると8~10年程度です。

 

1-1-4 吹き付けタイル仕上げ

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まず粘度の高い主剤を吹き付けた後に、上から塗料=上塗り剤を塗り重ねながら、凸凹の模様をつけて仕上げていくのが「吹き付けタイル仕上げ」です。

スタッコと同じく上塗りの工程のうち生乾きのタイミングで、コテやローラーなどで仕上げていきます。完成後は表面がツルツルとしたツヤがある仕上がりになるのが特徴で、上塗り剤によって異なりますが、長い場合だと耐用年数の目安は20年です。そして劣化しても、上塗りすることで性能が元に戻るというのが、この工法のメリットです。

 

1-1-5 塗装に使用するスプレーガン

吹き付け塗装を行う上で必須のツールがスプレーガンです。塗料に圧力をかけて壁面に噴射するスプレーガンには空気圧を使う「エアー式」と、塗料に直に圧力をかける「エアレス式」の2タイプがあります。

それぞれの違いとメリット・デメリットについて説明します。

 

1-2-1 エアスプレー

圧縮した空気によって霧状にした塗料を吹き付けます。

塗料と空気を混合させるメカニズムにはいくつかの種類があります。ガン本体に取り付けたカップ内で上から落ちてくる塗料を噴霧する「重力式」、ガンの下部に取り付けたカップから吸い上げた塗料を噴霧する「吸上式」、ガンと接続したホースを通じてポンプや加圧タンクなどから供給する塗料を噴霧する「圧送式」などで、それぞれの特徴に考慮しながら使い分けていきます。

 

1-2-2 エアレススプレー

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空気を利用せず、直接塗料に圧力をかけて噴霧するタイプです。

ポンプで高い圧力をかけた塗料を、狭いノズルの先端から噴射することで微粒子化するメカニズムになっています。塗装スピードが速いというメリットがあることから、屋外作業になる外壁塗装では重宝するのがメリットですが、直接塗料を噴射する分、どうしてもエアー式のスプレーよりも仕上がりが雑になってしまうというデメリットがあります

 

2 . 吹き付け塗装の作業工程と費用相場

これまでの説明でお分かりかと思いますが、外壁の吹き付け塗装にはかなりハイレベルな技術が必要です。プロの世界でさえ、高度な吹き付け塗装をできる職人は減ってきていると言われているぐらいですから、「DIYでやるのは厳しいな」と考えてしまうのも無理はありません。

もしプロに依頼した場合、気になるのは費用です。どのような工程、作業が必要で、それに応じてどのぐらいの費用が掛るのかという目安を押さえておけば、ある程度安心して業者に任せられるでしょう。

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2-1 吹き付け塗装の作業工程

吹き付け塗装は仕上げ方によって若干の違いはあるものの、必要な基本的工程は共通しています。まずはどのような工程があり、どのような作業が行われるのか確認しましょう。

 

2-1-1 足場の設置 

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塗装作業の第一段階です。足場を組むことで家の外側全面にくまなくアプローチできるようにするだけでなく、万が一高所から落下してしまった場合はクッションのような働きをしたり、飛散防止ネットを張ることで塗料が飛び散ってしまうことを防ぐこともできるなど、職人が作業するのに欠かせないのが足場の設置です。

足場の組み立ては1平米あたり600~1,000円が相場です。多少のバラツキはありますが、坪単価1,000円を上回ることがないという点は全国的に共通しているようです。

 

2-1-2 養生

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窓や雨戸、あるいは駐車している車など、塗装が必要な以外の箇所に誤って塗料が着かないようカバーするのが養生です。これも塗装作業を行う上で欠かせない行程のひとつ。1㎡あたり300~500円程度が目安です。

足場の項目で紹介した飛散防止ネットを張る場合は1.8m×3.6mで2,000円程度。一般的な住宅であれば、これが2~3枚程度で足りるので、概ね5,000円程度で収まる計算になります。

 

2-1-3 高圧洗浄

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外壁には経年によって汚れやカビ、サビがつきもの。また塗装が劣化するとチョーキング現象が発生している可能性などもあるため、塗料を確実に壁面に密着させ、塗装の効果を万全にするためにも事前の洗浄は大切です。

洗浄は高圧洗浄機などを使って、なるべく短時間で行うのが通例です。最近では家庭用の高圧洗浄機が普及しているので「この工程だけは自分でやろう」と考える人もいるかも知れませんが、高性能な機器を使用しているプロに任せた方が外壁は確実にキレイになるでしょう。費用の目安は1㎡当たり100~300円です。

 

2-1-4 下地処理

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洗浄の後は、洗浄機で取り切れなかった異物の除去や劣化による表面のひび割れ凹凸の補修などを行うことで、塗料を確実に密着させるための下地処理が必要です。この下地処理をしっかり行うことで新たな塗装の耐久力が大きく左右されるため、重要な工程です。

下地処理の工程は様々あり、かかる費用の幅も広いです。ひび割れ補修はひびの深さや幅により変わりますが1カ所あたり1,500~5,000円程度、鉄部のサビ落としも、サビの度合いと大きさに応じて200~2,000円程度、コーキング補修は打ち直しの場合で600~2,000円程度が目安です。業者と一緒に補修箇所をすべてチェックし、1カ所ずつの補修内容と金額を必ずチェックしてください。

 

2-1-5 塗装(下塗り、中塗り、上塗り)

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以上の事前工程を経た後、ようやく塗装に入ります。使用する塗料の1㎡あたりの金額の目安は別の章で説明しているので、ここでは省略しますが、外壁塗装では下塗り、中塗り、上塗りの3工程を行う必要があることをお忘れなく。

下塗りでは古い外壁を蘇生させる塗料を塗布し、中塗りと上塗りの2回塗りでは同じ塗料を使いながらムラなく仕上げていく、というのが基本です。悪徳業者はこの工程を手抜きするケースがあるので要注意です。

 

2-1-6 足場解体

塗装が終了した後は、もちろん足場を解体、撤去しなければなりません。解体についても組む際の費用目安の範囲に入っています。

足場の費用の1例を紹介します。外周20m・2階建ての住宅で1平米1,000円と想定してみましょう。足場は家屋から少々離して組むため、外周20mの住宅だとプラス8m程度で計算する必要があります。ということは、外周28m × 家の高さ6m 、それに平米単価1,000円とすると、計 16万8,000円ということになります。

 

2-2 一般的な吹き付け塗装の費用

以上の費用をすべてトータルした外壁塗装にかかる費用の目安は下記の通りです。

■ 10坪 40㎡ 約20~40万円
■ 20坪 79㎡ 約40~70万円
■ 30坪 119㎡ 約60~100万円
■ 40坪 158㎡ 約80~130万円
■ 50坪 198㎡ 約100~160万円
■ 60坪 238㎡ 約120~200万円
■ 70坪 277㎡ 約140~230万円
■ 100坪 396㎡ 約200~320万円

 

3 . 吹き付け塗装のメリット・デメリット

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 何種類かの工法の中の1つである吹き付け塗装は、1990年代あたりからあまり採用されなくなってきたことはすでに説明しました。一般住宅に用いられる外壁として、モルタルよりもサイディングが主流になってきたことが大きな要因です

サイディングにも吹き付け塗装は可能ですが、サイディングは工場で生産する際すでにデザインが施されています。凝った仕上がりが可能な吹き付け塗装があまり採用されなくなっていったのはそのためです。

意匠を高める仕上がりが可能なこと以外、吹き付け塗装にはどんなメリットがあるのか、逆にどのようなデメリットがあるのか解説していきます。

 

3-1 メリット

吹き付け塗装はモルタル壁だけでなくサイディングに施しても、何の問題もないことも、すでに説明しました。そしてローラーではどうしても出せない仕上がりを実現できる工法であることが根強い人気になっていることは間違いありません。

仕上がり以外でも、技術的点に絞って見ただけでも次のような点がメリットとして挙げられます。

 

3-1-1 ムラが出にくい

スプレーガンを使うことで均一な塗膜を施しやすい吹き付け塗装は、ローラーや刷毛塗りと比べるとムラが出にくいのが大きなメリットです。手塗りで均一に塗膜を作っていく技術は、例えプロでも技量の差は大きいでしょう。ましてやDIYで外壁塗装を行うとなると、ムラなく塗るのは至難の業です。

 

3-1-2 面積が広いほど工期を短縮できる

手塗りよりもはるかにスピーディーな作業を行えるのも、吹き付け塗装ならではのメリットと言えるでしょう。吹き付け塗装は、一般住宅では減少しているものの、マンションなどでは話は別。短時間に塗装できるため、大きな建築物の外壁塗装には採用されています。

規模の大きい住宅、広い面積の塗装になるほど工期短縮が顕著になるというのが特徴の1つです。

 

3-1-3 狭い隙間も塗装できる

手の入らないような狭い隙間だと、ローラーや刷毛での手塗りは困難、というより、まったく塗装できません。しかし吹き付け塗装なら、そのような隙間であっても塗料を塗布できます。

 

3-2 デメリット

反対に、吹き付け塗装にはデメリットもあります。これから外壁塗装するにあたって吹き付けか手塗りか、と迷っていた人はもちろんですが、「吹き付け塗装に決めていた」という人はとくに、次のような難点があることを、しっかり確認しておいた方がいいでしょう。これらのデメリットを解消できる条件さえあれば、ぜひ吹き付け塗装を試してみてください。

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3-2-1 作業音がうるさい

吹き付け塗装には欠かせないスプレーガンは、エアー式・エアレス式どちらにおいても作業中に機械の駆動音が生じてしまいます。また塗料が機械から噴き出す際も、少なからず音が出ます。

外壁塗装の作業の際は足場の設置・解体や足場を行き来する音、高速洗浄や下地作業においても、どうしても作業音が生じてしまいます。そこに機械の音が加わるとなると、近隣のストレスを増長しかねません。

 

3-2-2 養生に時間がかかる

圧力で塗料を飛ばして塗装していくだけに、吹き付け塗装では念入りに養生する必要があります。メリットの1つとして「手の届かない隙間にも塗料を吹き付けられる」と説明しましたが、逆に考えれば、塗料を着けたくない箇所に施したシートやテープにうっかり隙間が生じてしまった場合など、そこから塗料が入り込んでしまうということになります。

塗料の飛沫を計算あるいは予測しながら確実な養生をしていくには、手塗りのための養生にくらべて、どうしても時間が掛かってしまうことになります。

 

3-2-3 仕上がりが職人の熟練度に依存する

スプレーガンを使用するため手塗りよりもムラが生じにくいことは説明した通りです。しかし、吹き付け塗装は高い技術力を要します。広い面積の外壁を均一に塗装する作業はプロにとっても至難の業。

一定のリズムでスプレーガンを操作できるよう、なんとメトロノームを使って職人を訓練しているハウスメーカーもあるそうです。

それだけ高度な吹き付け塗装だけに、職人によって技術力の差が大きいのが現実です。それに拍車をかけるように、近年の需要不足から吹き付け塗装に長けた職人が不足しているため、同じプロでもレベルの差、仕上がり具合にどうしても差が生じてしまうのです。

 

4 . ローラー工法との違いは? どちらを選べばいい?

次のようなメリット・デメリットをそれぞれ確認することで、吹き付け塗装についてより理解を深められるはずです。現在住宅の外壁塗装で主流なのはローラー工法ですが、「結局どちらを選ぶべきなのか」という結論を出すには、もう少し違った角度で双方を考察してみる必要があります。

ここでは3つの点からそれぞれの工法についてもう少し踏み込んで説明します。

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4-1 仕上がりや耐用年数に大差はない

吹き付けとローラー、それぞれの工法の違いとしてもっともよく挙げられるのは「仕上がり」です。

吹き付け塗装でしか実現できない仕上がりがあることは前述の通りですが、ローラー工法でもかなり高度なデザインを実現できる技術が誕生しています。意匠性にこだわる人は、ローラーでできるハイクオリティな仕上がりの実例も認識した上で、最終的にどちらを選択するというのが理想的でしょう。

ローラー工法でも高い意匠性を実現する方法は何点かあります。

■ ジョリパット

コテなどを利用して凹凸を付け、塗り壁のような仕上がりにします。この仕上げにすると吸水性が高くなるため透湿性の低い微弾性塗料や弾性塗料を用いることはできません。

■ 多彩模様塗料を使用

異なる色調のチップなどが混ぜ込まれている塗料で、天然石材のような仕上がりになります。吹き付け塗装で使われることが多い塗料ですが、よりたくさんの塗料がつけられる「砂骨ローラー」で塗布することができます。

また「吹き付けとローラーでは耐用年数は違うのか?」という疑問の声もよく聞きますが、これらの工法によって耐用年数に違いが生じることはありません。耐用年数はあくまでも使用する塗料の違いや事前の洗浄や下地処理、塗布の技術力によって生じるのであり、工法による差はありません。

 

4-2 近隣住宅への配慮から吹き付け塗装を行わない業者も

ただ「やっぱり吹き付け塗装にしよう」と思っても、吹き付け塗装そのものを敬遠する業者が増加しているという現実があるのです。その理由は様々です。

■ 近隣への配慮

先に紹介したように、吹き付け工法には騒音への懸念があります。さらに、隣家が至近距離にある家屋の外壁塗装となると、塗料の飛散にも注意が必要です。理解を得られれば隣家も養生して行うこともできるかも知れませんが、その手間などを考えると、やはり敬遠したくなるのが本音かも知れません。

 天候

これも飛沫と関係することですが、吹き付け塗装はどうしても風の影響を受けてしまうため、とくに強風の日などは近隣への飛沫は避けられません。作業できる日が限られてしまうことも敬遠される理由の1つです。

 塗料に無駄が出る

塗料を粒子にして飛ばす工法のため、手塗りと比べてどうしても塗料が無駄になってしまいます。ローラーよりも概ね20%程度の塗料が無駄になってしまうようです。

 

4-3 それでも吹き付け工法を選ぶべきケース

吹き付け塗装という工法の特徴やメリット・デメリット、主流であるローラー工法との比較など、様々な角度で吹き付け塗装を検証してきましたが、では結局、吹き付け塗装はどういうケースであれば最大限に利点を発揮できるのでしょう。そして、どのような条件であれば吹き付け工法を検討すべきなのでしょうか。答えは次の2点に集約されるでしょう。

 大きな規模の住宅

広い壁面を塗装する場合、吹き付け塗装とローラー工法では効率性が圧倒的に違います。もちろん吹き付け塗装のほうがスピーディーな作業が可能です。ですから大規模な外壁になればなるほど工期短縮がしやすいでしょう。

 仕上がりのデザイン性、意匠性にこだわりたい

ローラー工法でもデザイン性の高い仕上がりができるようになっていますが、やはり吹き付け塗装でしかできない仕上がりがあります。またローラーは細部の塗装には不向きなため、場合によっては刷毛塗りを施す必要があります。どうしてもムラができがちなのは避けられません。

仕上がりにこだわりたい人にとって、やはり吹き付け塗装は重要な選択肢と言えるでしょう。

 

5 . 吹き付け塗装の外壁を長持ちさせるお手入れ

絶えず過酷な自然条件にさらされる外壁は、凹凸があるほど傷みやすく、そして汚れやすくなります。吹き付け塗装の魅力の1つとして「凝ったデザイン、高い意匠性の仕上がり」ということは繰り返し説明してきましたが、デザインや意匠にこだわるということは、イコール凹凸が多い塗装面になる、と考えてください。

それだけに定期的なメンテナンスはもちろんのこと、日頃から可能な範囲で手入れすることが、塗装の美しさや耐久性を維持するために欠かせません。

ここでは外壁に着きやすい汚れの種類や、その汚れをどう綺麗にしていくかについて説明していきます。

 

5-1 吹き付け塗装の外壁に着きやすい汚れ

仕上がりが細かい吹き付け塗装の外壁は、ローラーで塗った外壁にはあまり見られないような汚れが着きやすい特徴があります。その独特の汚れにはどのようなものがあるのかを知っておいてください。

 

5-1-1 ホコリ

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なんとなく外壁全体がくすんで見える、とくに凹凸の上部がやけにくすんでいる……吹き付け塗装した外壁には、そんな汚れ方がよく見られます。これはホコリによる汚れが原因になっていることが多いようです。

屋外にはホコリがつきものですが、土ボコリは外壁に、とくに細かな模様や凹凸などで仕上げている吹き付け塗装には付きやすいものです。自宅の庭や畑、近隣に農地のほか学校(校庭)、運動施設、あるいは舗装していない道路などがある場合は、とくに土ボコリで汚れやすい環境であると考えてください。

 

5-1-2 雨だれ

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外壁の表面を伝って雨が流れ落ちやすい箇所に、沿うようにできるシミは雨だれである場合がほとんどです。外壁に付着しているホコリが雨で流されることで、とくに雨が流れやすい箇所がシミになってきてしまいます。

また車の排気ガスなどに含まれる酸化ガスなどが、雨に混じって降ることで、外壁などの塗装を傷める原因になっています。やはり外壁の雨が流れやすい箇所にはその影響が出やすく、シミなどになってしまいます。

 

5-1-3 カビ・コケ

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どちらも湿気が溜まりやすい箇所に発生しやすく、コケは日当たりのよい箇所にも出やすい特徴があります。雨水や汚れが溜まりやすい外壁の凹凸部分は、とくにカビやコケを発生しやすい箇所といえます。

外壁の近くに植物が生えているような場合はカビやコケの胞子などが付着しやすく、あまり日が当たらない北側、そのほかの日差しや空気の通りが遮断されているよう箇所はカビが発生しやすいと考えてください。付近に沼地などがあり湿気が溜まりやすい立地の場合も要注意です。カビやコケは外壁を腐食させる恐れがあるため、早めの対処が必要です。

 

5-2 自分でできるメンテナンス

以上がとくに吹き付け塗装の外壁に付きやすい汚れです。いずれも早めにメンテナンスするに越したことはありませんが、もちろん都度プロを呼ぶのは大変でしょう。自分でできるメンテナンスをこまめにやっておくことが、外壁の塗装を守るカギになります。

自分でできるメンテナンスとして、次のようなものがあります。

 

5-2-1 水で流す

壁面を水で流していく、ホースさえあれば手軽にできるメンテナンスです。固着していない土ボコリなどであれば、ある程度まできれいに汚れを落とすことができますが、排気ガスなどによる酸化ガスの油性の汚れや、カビやコケが発生している場合は、ほとんど効果がないと考えてください。

水で流していくと汚れは下に落ちていくので、家の上の箇所から行うようにしましょう。必ず窓を閉めて行わなければいけないのはもちろん、水が屋内などに入り込むかもしれないので通気口や換気扇の排気口、そして軒裏にも、水をかけないように作業してください。

 

5-2-2 スポンジ・ブラシで洗浄

水をかけただけでは落ちない汚れは、スポンジやブラシでこすってみてください。水では落ちにくい汚れは外壁専用の洗剤のほか、意外に食器洗い用の中性洗剤を使って洗うと、汚れがきれいに落ちることも。ただし研磨剤入りのタイプは外壁を痛めるので使用しないでください

また使用するスポンジ、ブラシには要注意。選択を誤ると外壁や塗装に傷を付けてしまう恐れがあります。洗車用のものであれば傷が付きにくい柔らかな素材などを採用しているので安心です。

それでも、あまり力を込めてこすると傷ついてしまうこともあるため、あまり力を込めないようにこするのがコツです。こすり終わったら洗剤をしっかり水で洗い流してください

 

5-2-3 高圧洗浄機で洗浄

近年テレビCMなどでよく見かける家庭用の高圧洗浄機も、もちろん外壁の手入れにはピッタリです。とくに細かな凹凸のある吹き付け塗装の壁面は効率良く清掃しやすいでしょう。

高圧洗浄機はその名の通り高い水圧で洗浄していくので、水圧には要注意。塗装面の劣化が進んでいる場合、あるいはリシンなど繊細な砂粒状のデザインで仕上げている塗面は、高い水圧の水を吹き付けると剥がれてしまうかもしれません

また、シーリングしている箇所は洗浄しないでください。シリコンやゴムなどの柔らかな素材を充填しているため、高い水圧で水をかけると傷んでしまったり、充填素材と壁の隙間から水が入り込んでしまうかもしれません

 

5-2-4 カビ・コケ防止剤の使用

カビやコケが外壁に発生すると、かなりやっかいです。軽くこすっただけではなかなか落ちず、強くこすると外壁を傷める恐れがあるからです。

もし発生してしまったら、外壁専用のカビ・コケ清掃用洗剤を使用するのがベストです。通常の外壁用洗剤を使用しても、あまり効果的ではありません。

カビ・コケ防止剤には濃縮タイプがあります。そちらを使用する際は、必ず指定の希釈率を守ってください。その指定を守らないと、洗剤が薄すぎて汚れを落とす効果が発揮されなかったり、濃すぎて外壁を傷めてしまうかも知れません。

またカビ・コケ防止剤はサッシや門扉といった金属部分に付着させると、サビの原因になる可能性があるので注意してください。洗剤を外壁に直接塗るのではなく、ブラシやスポンジなどに付けてから外壁をこするか、洗剤をスプレーボトルに入れて吹き付けるなどして使用すると、金属部分への付着を防ぎやすいでしょう。

 

6 . 吹き付け塗装にしかできない仕上がり、デザイン性を検討しよう

外壁の吹き付け塗装について一通り検証してきましたが、皆さんが塗装の選択を判断される上でお役に立ったでしょうか?

住宅技術の変化によって吹き付け塗装の需要が少なくなったものの、いまだに希望する人が多い理由は、やはりローラー工法では決してできない仕上がり、デザイン性があるからにほかなりません。ローラー工法でも、その特性を最大限に活かしつつ意匠性を高める仕上げや工法がないわけではありません。

しかし、考えてみてください。例えばデザイン性に長けている窯業系外装材には、タイル調やレンガ調の風合いをデザインしたタイプのものがあります。

ただし、決して本物のタイルやレンガの風合いを完璧に再現することはできません。吹き付け塗装が外壁塗装の選択肢としてあり続けるのは、ローラー工法では決して出せない風合いを生み出すことができるからです。

近年は高度な技術を持つ職人が減少しているため、より限られた選択肢となっているかもしれませんが、意匠やデザインによりこだわってみたい、という人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょう。

 

 

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