2024-03-26 10:50:40 更新

光触媒塗料は使い方で効果が消える?特徴やデメリット、価格などを解説

光触媒塗料は使い方で効果が消える?特徴やデメリット、価格などを解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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「光触媒塗料ってどんな塗料なの?」
「光触媒塗料で塗装する際の費用やメリット、デメリットなどが知りたい」

外壁塗装を検討されている方の中には、光触媒塗料についてこのようにお悩みの場合もあるでしょう。
塗装工事の際には、使用する塗料の詳しい情報を得ておくと安心です。
そこで、この記事では光触媒塗料について以下のような基礎知識を解説していきます。

  • 1.光触媒塗料の特徴
  • 2.光触媒塗料のメリットとデメリット
  • 3.光触媒塗料の単価
  • 4.光触媒塗料の施工に向いている人
  • 5.光触媒塗料を販売しているメーカー
  • 6.光触媒塗料を選ぶ際の注意点

上記の内容を把握しておくことで、外壁塗装での正しい塗料選びについての知識を手に入れられるでしょう。
外壁塗装で光触媒塗料を選ぼうかお悩みの方は、ぜひ最後までご覧になってみてください。

目次閉じる

1.光触媒塗料の特徴

2.光触媒塗料のメリットとデメリット

3.光触媒塗料の単価

4.光触媒塗料での施工に向いている方の特徴

5.光触媒塗料を販売しているメーカー

6.光触媒塗料を選ぶ際に覚えておきたいポイント

7.光触媒塗料は優良業者に依頼して効果を発揮させよう

1.光触媒塗料の特徴

1.光触媒塗料の特徴光触媒塗料とは、「セルフクリーニング機能」を持つ塗料です。

仕組みとしては、塗料の中に含まれている酸化チタンが太陽光に反応して、汚れを分解します。
その後、雨が降った際に分解された汚れが洗い流されるのです。
そのため、光触媒塗料を塗布すると、ほかの塗料タイプに比べて耐久性が増して、外壁の美観を長く維持できます。

光触媒塗料の耐用年数は20年ほどです。
劣化が見られたり、耐用年数が近づいてきたりしたら塗り替えが必要となります。

【ココがポイント!】
光触媒塗料は雨が降るとセルフクリーニング機能によって、他塗料よりも外壁の美観が維持しやすいです

2.光触媒塗料のメリットとデメリット

2.光触媒塗料のメリットとデメリット光触媒塗料には、耐久性が優れていたり、長期間きれいな外壁が保てたりといったメリットがあります。しかし、価格が高めであったり、カラーバリエーションが少なかったりといったデメリットも存在します。

以下にて、それぞれの内容を詳しく解説しましょう。

2‐1.メリット

光触媒塗料のメリットは、以下の3つです。

  • 1.耐久性に優れている
  • 2.長期間きれいな外壁を保てる
  • 3.住宅周辺の空気を清浄してくれる

各メリットの具体的な内容を、紹介していきます。
光触媒塗料で塗装すると得られる効果をぜひ確認してみてください。

2‐1‐1.耐久性に優れている

光触媒塗料の耐用年数は20年ほどあるため、ほかの塗料タイプに比べて耐久性が高いです。
そのため、劣化しにくく、メンテナンスの頻度を抑えられるというメリットもあります。

以下にて、ほかの塗料タイプの耐用年数を紹介するので、ぜひ比較してみてください。
表1
光触媒塗料は塗装環境によっては短くなる場合もありますが、基本的にほかの塗料タイプよりも耐用年数は長いです。

2‐1‐2.長期間きれいな外壁を保てる

光触媒塗料にはセルフクリーニング機能が備わっているため、ほかの塗料に比べてきれいな外壁を長期間保つことができます。
光触媒によって汚れが分解されて、雨水によってそれが洗い流される仕組みです。

自然に汚れが落ちていくため、外壁を清掃する頻度が少なくて済みます。

【監修者コメント】
光触媒塗料は、雨がふらなければ分解された汚れは洗い流せません。
このため、雨がまったく当たらない場所には適していないことも覚えておきましょう。

また、耐用年数が長い代わりに価格も他の塗料より格段に高額です。
予算と相談して利用するか検討してください。

2‐1‐3.住宅周辺の空気を清浄化してくれる

光触媒塗料は、塗膜に太陽光が当たると活性酸素が生成されます。
この活性酸素には、空気中の汚染物質を分解する効果があるのです。

そのため、光触媒塗料を外壁に塗装すると、太陽光が当たることで住宅周辺の空気がきれいになります。
光触媒塗料は、外壁だけでなく空気も自動で清浄化してくれる優れた塗料です。

2‐2.デメリット

光触媒塗料のデメリットは、以下の3つです。

  • 1.価格が高めである
  • 2.カラーバリエーションが少なくなる
  • 3.効果が発揮されない場合がある

各デメリットの内容を解説していきます。
光触媒塗料で塗装をしようかとお悩みの方は、デメリットも確認しておきましょう。

2‐2‐1.価格が高めである

光触媒塗料は性能が高いことから、ほかの塗料に比べて価格が高めです。
外壁塗装でよく選ばれているシリコン塗料の価格は1平方メートルあたり2,500~3,500円ほどで、光触媒塗料はその2倍近くになります。

見積もりを出してもらったら、想像していたよりも工事価格が高めで困ってしまうということもあるでしょう。
そのため、光触媒塗料での施工を希望される場合には、シリコン塗料での塗装にかかる費用の2倍ほどの予算を組んでおくと安心です。

2‐2‐2.カラーのバリエーションが少なくなる

光触媒塗料の効果を存分に発揮できるのは、白系や淡色系のカラーなので、黒や紺といった暗い色は選びにくくなります。
そのため、黒や紺などの暗い色の外壁を希望される方にとっては、光触媒塗料は不向きな塗料となります。

2‐2‐3.太陽光が当たらない場所では効果が発揮されなくなる

光触媒塗料は太陽光に当たることで汚れを分解するため、日陰になっている場所では効果が発揮されにくいです。

また、雨が当たらない場所も汚れを流せないため、セルフクリーニングの効果が不十分となるでしょう。
施工する前は、業者とよく相談してご自宅の外壁に塗装してどれくらい効果が得られるのか確認しましょう。

【ココがポイント!】
光触媒塗料はセルフクリーニングでいつもきれいになる一方、太陽光が当たらないと効果が出ないため注意しましょう

3.光触媒塗料の単価

3.光触媒塗料の単価光触媒塗料の単価は、1平方メートルあたり3,500~5,500円ほどが相場です。性能が高いぶん、ほかの塗料タイプに比べて施工単価が高めになります。ほかの塗料タイプの単価も以下にてまとめていますので、ぜひ確認してみてください。表2上記のように、塗料の中でも光触媒塗料の相場は少し高めになっています。ただし、耐久性の高さやセルフクリーニング機能といったメリットもあるため、中長期的に見てどちらを重視するかによって塗料を選びましょう。

高額になりやすい塗装費用を抑えるためのコツを、以下の動画で紹介しています。
ぜひ参考になさってみてください。

 【ココがポイント!】光触媒塗料は他塗料よりも高額なため、費用に見合った効果を得られるかは必ずチェックしましょう

4.光触媒塗料での施工に向いている方の特徴

4.光触媒塗料での施工に向いている方の特徴光触媒塗料での施工に向いている方の特徴は、主に以下の4つです。

  • 1.メンテナンス頻度を抑えたい
  • 2.環境に優しい塗料を選びたい
  • 3.明るい色で外壁を塗装したい
  • 4.施工費用にこだわっていない

それぞれの具体的な内容を以下で解説します。

4‐1.外壁のメンテナンス頻度を抑えたい

光触媒塗料は汚れを分解して雨で洗い流せるので、メンテナンス頻度を抑えたい方におすすめです。
光触媒塗料で塗装することで、施工後の掃除回数が少なくて済むためです。

特に、幹線道路沿いや公園近くにご自宅がある場合は、外壁が汚れやすくなります。
そのため、掃除の手間を省くためにも光触媒塗料での塗装を検討してみてはいかがでしょうか。

4‐2.環境に優しい塗料を選びたい

空気を清浄する効果のある光触媒塗料は、環境に優しい塗料を選びたい方に向いているといえます。
単価は高くなりますが、塗料による健康被害をできるだけ防ぎたい、安心して暮らしたいという方におすすめです。

特に、小さなお子さまやペットがいるご家庭で、塗装工事の際の塗料の人体的影響を気にしている方は、ぜひ光触媒塗料を検討してみましょう。

4‐3.明るい色で外壁塗装したい

暗い色ではなく、白や淡色といった明るい色で外壁塗装したいという方は光触媒塗料での施工に向いています。
反対に、暗い色で外壁を仕上げたいという場合には、光触媒塗料の効果を得にくいためほかの塗料を選びましょう。

また、好みではないのに白や淡色系の色で外壁塗装をして、失敗してしまったという事例もあります。
光触媒塗料で塗装すればさまざまな効果を得られますが、満足できる工事にするためにも、色選びは慎重に行いましょう。

4‐4.施工費用にこだわっていない

施工費用を安くしたいというようなこだわりがない方にも、光触媒塗料は向いています。
光触媒塗料はほかの塗料タイプに比べて高額です。

ウレタン系塗料やシリコン系塗料に比べて2倍近く高くなります。
そのため、建物全体の外壁を塗装する場合に、総工事費を比較すると光触媒塗料はかなり高額です。

しかし、施工費用にはこだわらず、塗料の性能を重視したいという方はぜひ光触媒塗料で塗装してみましょう。

【ココがポイント!】
光触媒塗料は、費用が高くてもいいからメンテナンス頻度が低い塗料を選ぶ場合に適しています

5.光触媒塗料を販売しているメーカー

5.光触媒塗料を販売しているメーカー光触媒塗料を販売しているメーカーには、「ピアレックス・テクノロジー」や「大日本塗料株式会社」などがあります。以下にて、それぞれのメーカーが販売している光触媒塗料の商品の特徴を紹介します。

5‐1.株式会社ピアレックス・テクノロジーズ

株式会社ピアレックス・テクノロジーズが製造・販売している光触媒塗料は、「ピュアコート」です。
ピュアコートは、汚れがつきにくかったり、色あせしにくかったりするといったメリットがあります。
太陽の光が活性酸素を生み出して、汚れが外壁に付着しにくくなります。

さらに、超親水性の性質を持つ塗料なので、雨が降ると分解された汚れが洗い流されるのです。

また、外壁の色あせの原因である紫外線を70%カットする効果もあります。
施工時も1層のコーティング形成で塗装できるため、工期の短縮を図れます。
性能は高いまま、施工しやすくなった新しい光触媒塗料です。

ピュアコートの詳しい内容は、以下の公式サイトをご確認ください
『ピュアコート水性|株式会社ピュアレックス・テクノロジー』

5‐2.大日本塗料株式会社

次に、大日本塗料株式会社が販売している光触媒塗料の「COZY PACK Air」をご紹介します。

COZY PACK Airは、抗菌・抗ウイルス機能を持つ室内用の塗料です。
室内の蛍光灯の光によって光触媒機能を活性化させて、ウイルスや嫌な臭いの付着を抑えます。

例えば、一般的な塗料で室内の壁を塗装した場合は、ウイルスが壁面に付着すると2~4日間は残っているケースが多いです。
一方でCOZY PACK Airは、塗装しておくと付着したウイルスが数時間で減少したというデータもあります。

また、塗料自体のニオイも少ないため、室内でも安心して過ごせます。
COZY PACK Airは、室内もクリーンな環境を維持したいという方におすすめの塗料です。

大日本塗料株式会社のCOZY PACK Airについてより詳しくお知りになりたい方は、以下のサイトからご確認ください。
『COZY PACK Air|大日本塗料株式会社』

【監修者コメント】
光触媒塗料といえば、TOTO株式会社が販売していた「ハイドロテクト」が有名です。
高い知名度と信頼性があり、光触媒塗料といえばハイドロテクトと言われていた時代もありましたが、現在はこの塗料は販売されていません。

販売が終了した理由は明確ではありませんが、光触媒塗料は思ったほど効果が高くないとかクレームが多発していたという噂を聞いています。
もし光触媒塗料を使うのでしたら、施工した住宅が10年後にどの様になっているかを直接確認することをおすすめしております。

6.光触媒塗料を選ぶ際に覚えておきたいポイント

6.光触媒塗料を選ぶ際に覚えておきたいポイント

光触媒塗料を選ぶ際に覚えておきたいポイントは、以下の5点です。

  • 1.汚れる場合もある
  • 2.信頼性がまだ低い塗料である
  • 3.屋根に塗装できない塗料である
  • 4.施工に慣れた業者に依頼する
  • 5.相見積もりを行うようにする

それぞれのポイントの内容を詳しく解説していきましょう。

6‐1.汚れる場合もある

光触媒塗料を塗っているからといって、外壁が絶対に汚れないというわけではありません。
土や鳥のフンなどは光触媒での分解が難しいため、雨が降っても落ちない場合があります。
そのため、汚れないからとまったくメンテナンスしなければ、後々掃除がしにくくなる可能性があります。

通常の掃除では落としきれないほど汚れが付着してしまうと、塗り替えが必要となるでしょう。
そのため、光触媒塗料だからと掃除をまったくしないのではなく、定期的に点検して汚れが目立つようであれば除去するようにしましょう。

6‐2.信頼性がまだ低い塗料である

外壁塗装で光触媒塗料を選ぶ際は、信頼性がまだ低いという点を覚えておきましょう。
光触媒塗料は大手メーカーでは販売されていない塗料であり、シリコン系塗料やフッ素系塗料よりも施工実績が少ないため信頼性が低いのです。

施工単価も高い塗料なので、不安があれば業者と相談してよく検討するようにしましょう。

6‐3.屋根には塗装できない塗料である

光触媒塗料は外壁や室内用のみ販売されており、屋根には施工できないので注意しておきましょう。

屋根もセルフクリーニング作用があると嬉しいですが、残念ながら光触媒塗料では塗装できません。
屋根にも高い性能を持つ塗料を施工したい場合には、遮熱・断熱塗料を使用するのもおすすめです。

室内の温度上昇を防ぎ、快適な空間を維持しやすくなるでしょう。

6‐4.施工に慣れた業者に依頼する

光触媒塗料は施工に慣れた業者に工事を依頼すると失敗が少なくて済み、安心です。
一般的な3回塗りではなく、光触媒塗料は上塗り後にコーティング作業を行う4回塗りの場合があるため、工程が異なるのです。
そのため、塗装に慣れた業者に依頼した方が施工不良を防ぎやすいでしょう。

光触媒塗料の塗装に慣れているかどうかを知るためには、施工実績を確認させてもらいましょう。
施工実績は依頼主の許可がないと提示できません。
実績を多数提示している業者は、工事前も後もトラブルなく、信頼できる会社といえます。

一方で、施工実績を開示していない業者は依頼主との間にトラブルが多い可能性が高いです。
お願いしても施工実績を見せられないという業者は悪質な場合があるため、工事の依頼は避けておきましょう。

6‐5.相見積もりを行い詐欺を防ぐようにする

外壁を光触媒塗料で施工するなら、相見積もりを行って、塗装業者を選ぶようにしましょう。

相見積もりとは、いくつかの業者に同じ工事内容で見積もりを出してもらい、内容を比較する工程のことです。
複数社の見積書を確認することで、適正価格で工事を行う業者を判別しやすくなります。

実は、光触媒塗料は単価が高いため、詐欺をはたらこうとする悪徳業者が存在します。
詐欺を未然に防ぐためにも、相見積もりを行って適正価格で工事を受注している業者に依頼するようにしましょう。

また、依頼する際は、比較しやすく、検討にあまり手間がかからない3社ほどの業者に見積もりを出してもらうようにしましょう。

優良業者の見つけ方は外壁塗装の優良業者の見つけ方!悪質業者を見抜くポイントも解説で詳しく解説しています。

【ココがポイント!】
光触媒塗料は屋根に塗装できる商品がないため、屋根は同じ耐用年数の別の種類の塗料を選びましょう

7.光触媒塗料は優良業者に依頼して効果を発揮させよう

7.光触媒塗料は優良業者に依頼して効果を発揮させよう

光触媒塗料は、塗るだけでセルフクリーニング効果が期待できる、画期的な塗料です。
そのため、短いスパンでの外壁掃除の手間が省けて、メンテナンスの頻度を抑えられるでしょう。

また、空気の清浄も行ってくれるため、環境や人体に優しい塗料でもあります。
ただし、光触媒塗料の効果を十分に発揮するためには、施工に慣れた業者に塗装を依頼することが大切です。
塗装業者を選ぶ際は、施工実績が豊富な優良業者を探すようにしましょう。

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