2022-01-17 12:17:32 更新

外壁の塗料を選ぶ上で頭に入れておきたい5つの事

外壁の塗料を選ぶ上で頭に入れておきたい5つの事
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁塗装は「外壁塗装を行う前に絶対に知っておきたい5つのこと」でもお伝えしたように、外壁塗装の値段は塗料の種類と塗る面積でほぼ決定する。それほど塗料選びは価格に密接に関わってくる。こちらでは塗料選びをする上で頭に入れておきたい重要なポイントを5つにまとめたのでご覧頂きたい。塗料は数えてしまえば星の数ほど存在する。私が考える塗料選びのコツはシンプルに考えるだ。正直私でもどの塗料が一番いいのか判断がつかない。自分の家をどのくらい長持ちさせたいのかどんな機能性が欲しいのかある程度決めてシンプルに考える事が塗料選びには最も重要だと私は思う。しかし、決して安ければいいなどと思っていただきたくない。せっかく約100万円という大金を支払うのだから、是非後悔しない塗料選びをしていただきたい。ちょっと値段が違うだけで、5年以上長持ちしたりなど、塗料の質に寄って、耐久性が全く異なるのからだ。それではご説明させていただこう。

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1.塗料によってなにが違うか

2.塗料は大きく分けて4種類ある

3.三大塗料メーカー

4.塗料で選ぶな、業者で選べ。

5.耐久性の長いものと、短いものの費用対効果

まとめ

1.塗料によってなにが違うか

さて、外壁塗装の価格は塗料によって変わるとご説明させていただいたが、塗料は価格によってなにが代わるのか、わかりやすく4つに分類したので、一つ一つ説明させていただこう。

1−1.耐久性

価格によって最も差がでるのがこの「耐久性」だ。塗料によっては5年しかもつなかったり、20年以上もつ塗料も有る。基本的にはこの耐久性と価格を比較検討する方が殆どである。因みにこの耐久性とは、外壁が汚れ始めたり、ひび割れを起こしたりなど、本来塗料がもつべき機能が発揮できなくなるまでの期間をいう。

1−2.遮熱性

遮熱性も塗料を選ぶ上で非常に重要だが、塗料の種類によって遮熱性があるものと全く無いもの、または遮熱性に非常に優れているもの様々である。遮熱性に非常に優れているものは高級な塗料が多いが、遮熱性の高い塗料を塗ると夏涼しく、冬は暖かかったりなど、電気代を節約できるメリットなどもあり、メリットも多数ある。

1−3.光沢性

正直な所、光沢性はあまり価格に影響してこないのだが、光沢がある塗料と、無いものがあるのでその点も塗料選びの際に頭に入れておくと間違いない。

1−4.防汚性

防汚性が高いものは、汚れが付着しにくく、付着しても雨水などできれいに流し落としてくれる。これは耐久性にも比例するが、耐久性の長い塗料は基本的に防汚性に優れており、汚れがつきにくい。つまり長持ちする塗料=防汚性に優れている、となるのだ。

2.塗料は大きく分けて4種類ある

もしかしたら塗料名で検索されている方多いかもしれないが、塗料は大きく分けて4種類ある。区切ればキリがないが、ここでは、4種類に絞ってご説明させて頂く。

塗装の種類 耐用年数 特徴
アクリル樹脂塗料 5~8年 一応紹介しておくが、この塗料は現代殆ど使われていない。
他の塗料に比べ、汚れやすく耐久性に劣る。コストパフォーマンスの高い塗料だが、オススメではない。
ウレタン樹脂塗料 8~10年 アクリル同様、最近はウレタンも殆ど使用されることが無い。
しかし、汚れや色褪せに強く、耐久性や施工性などの面でバランスがとれている塗料で、数年前までは外壁の塗り替え用として最も普及していました。
シリコン樹脂塗料 10~15年 現代最も使われている塗料。
耐久年数がある程度あり、汚れや色落ちに強く、防カビ性・防藻性などで高い性能を発揮する。
フッ素樹脂塗料 15~20年 建築用の塗料では耐久年数が最も優れているが、コストも高い。
商業施設や大きなビルなどで使用される事が多い塗料ですが、近頃性能の良い塗料を使う傾向が非常に強く、一昔前よりは普及してきている。

もう少し詳しく説明させていただこう。上の図を見ていただいてもう既にご理解いただけたかと思うが、耐久性によって塗料の名前が変わっているのがお分かりいただけるだろう。その耐久性に比例して塗料の価格も変わってくる。下の図を見ていただきたい。塗料は大きく分けて4種類と説明させていただいたが、実はもう少し細かく分けると更に耐久性が悪いもので、合成樹脂調合ペイントがある。加えてより高性能な塗料に無機塗料というものが存在する。近代、無機塗料を提案される方が多いので、上の図には無機塗料も加えさせて頂いた。念のため無機塗料を簡単にご紹介する。

無機塗料とは、正確には無機&有機のハイブリット技術により耐久性20年以上の超耐久性を実現した最新塗料。無機の耐候・防汚・難燃性に有機の柔軟・耐薬物性を付加する事で高硬度で超耐久性を実現した分、非常に高価な最高級塗料である。

御覧頂いたように、耐久性が長くなるに連れて、価格も高くなる。つまり星の数ほど有る塗料から塗料を選ぶのは難しいようで、とても簡単である。耐久性と価格だけ見れば、塗料選びに苦戦することはないだろう。

3.三大塗料メーカー

何度もお伝えしておりますが、外壁塗装に使う塗料だけでも星の数ほど存在する。塗料メーカーも同様、数多くのメーカーが存在するが、代表的な大手塗料メーカーは下記の3社だ。

  • 日本ペイント
  • 関西ペイント
  • エスケー化研

他のメーカーも多数存在するが、現在の塗装店の殆どが上記3社何れかの物を使用している。逆に、上記3社以外の塗料メーカーの物を使っている場合はしっかり塗料を調べる必要があるかもしれない。

塗料メーカーの名前を見てもピンと来ない方のために、上記3メーカーで出されているよく使われる塗料を下記に添付しておくので、念のためご確認いただきたい。塗装店が使う塗料の殆どが下記の中にある。

日本ペイント

  • ファイン4Fセラミック
  • パーフェクトトップ
  • ハナコレクション100水性
  • サーモアイSi
  • パラサーモシリコン
  • ファインシリコンベスト
  • ファインシリコンフレッシュスーパーオーデフレッシュF

関西ペイント

  • セラMシリコンII弾性
  • セラMフッソ
  • セラMレタン弾性
  • アレスアクアセラシリコン
  • スーパーシリコンルーフペイント

エスケー化研

  • 水性セラタイトSi
  • 水性セラミシリコン
  • クリーンマイルドシリコン
  • ヤネフレッシュ
  • セラミガード弾性セラタイトF

詳しい塗料のご説明はここでは割愛させて頂くが、一般的に使われる塗料の殆どは上記に書かれているものと言っても過言ではないだろう。もし上記に書かれていないものが見積書にかかれている場合、しっかり調べた上で塗装をお願いしていただきたい。

4.塗料で選ぶな、業者で選べ。

当サイトを運営していてたまに下記の様な問い合わせが来る。◯◯っていう塗料を使ってる業者を紹介して欲しい。これはきっと、ネットサーフィンをし、機能性の優れた塗料が見つかったため、その塗料を塗りたいと思い、問い合わせをしてきたのだろうが、この考え方は根本的に間違っている。

理由はこうだ。

どんなに良い塗料を使っても、塗装をする職人の技術がなければ、その塗料の意味をまったくなさない。かたやそれが悪徳業者であれば、尚更だ。まず、塗料を選び、業者を選ぶというやり方は、失敗する可能性が高いのでやめていただきたい。

また、3でご説明させて頂いた塗料を全て取り扱っている業者は基本的にいない。もちろん塗料メーカーから取り寄せればなんの塗料だって塗れるが、業者はそれを好まない。なぜなら、塗料に寄って塗り方が全く異なるため、其の都度塗り方が違うというのは面倒なのだ。

どんな塗料でも取り扱っている業者は逆に不安に思っていただきたい。毎回塗り方が違えばもちろんそのスキルもそれなりだからだ。

「うちはこの塗料しか売ってません」という塗装店の方がむしろ安心かもしれない。塗装は塗料じゃない。その塗料をしっかり塗ることが出来るかできないかで決まるのだ。

5.耐久性の長いものと、短いものの費用対効果

建物の資産価値を守ると同時にメンテナンス費用を最小限に抑えるために、タイミングよく塗り替える事は非常に重要になる。

例えば、耐用年数 10 年の塗料であれば 30 年間で 3 回塗り替えなければならない。ところが耐用年数 15 年の塗料であれば 30 年間で 2 階の塗り替えで済むということになる。つまり外壁の維持費用最小化の為には

*耐久性が短く、安い塗料で短い周期で塗り替えを行うか?*耐久性が長く、高い塗料で長い周期で塗り替えを行うか?

のどちらかで決まる。仮に耐用年数 10 年の塗装工事が 100 万円で、耐用年数 15 年の塗装工事が120 万円だとする。そうすると耐用年数 10 年の塗装工事であれば、30 年間で 300 万円かかることになる。

しかし、耐用年数 15 年の塗装工事の場合、30 年間でかかる費用は 240 万。つまり1 回の工事費用が高くなっても 、今後また塗装をする可能性があるのであれば、2 回の塗り替えで済ませた方が、長い目で見ると 60 万円も安くなるという計算に成る。

あなたの家をとりあえず10年もたせる、ということであれば10年もつ塗料で問題ないが、今後の資産としてより長く持たせたいというお考えの方は、より耐久性の長い塗料を使用された方が間違いないのだ。

また、ごく稀に「今回は予算が限られているから外壁だけを塗って、何年かしてから屋根を塗ります」と考えている方がいるが、これは避けていただきたい。なぜなら、外壁や屋根を塗る際、必ず足場を組まなければならない。分けて塗装を行う場合この足場を2度かける事になってしまい、無駄にお金がかかってしまうのだ。

外壁の塗料の選択は家をどのくらい持たせるかでとても重要なポイントとなる。将来の事を考えた上で塗料選びをすることを私はおすすめしたい。

まとめ

さて、塗料の大枠はわかって頂けただろうか。あらためて塗料選びをする上で大事なことをまとめると、

  • 耐久性が様々な塗料の最も大きな違い
  • 塗料の種類は大きく分けて4種類
  • 三大塗料メーカー以外はしっかりとした下調べが必要
  • 塗料で業者を選ぶのではなく、まずは業者選びから。
  • 家をどのくら長持ちさせたいかで塗料を決定せよ

以上5つの事が塗料を選ぶ上で最も重要なポイントだ。何度もお伝えしているが、塗料の種類は星の数ほど存在する。その星の数ほど存在する塗料を、一つ一つ見極めるのではなく、まずは業者選びから初め、塗装をすることでどのような効果を求めたいか、どのくらい家を長持ちさせたいか、業者に相談して塗料を選ぶ事が重要な手順と言える。冒頭でもお伝えしたが、とにかく「シンプル」に考えることだ。あなたが最も最適な塗料に出会えることを祈っています。

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