2024-03-26 10:50:43 更新

外壁塗装のデザイン|おしゃれな外壁にするための基礎知識

外壁塗装のデザイン|おしゃれな外壁にするための基礎知識
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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一度施工したら約10年は変えられない外壁塗装。だからこそ、住宅の顔とも言える外壁の色やデザインは納得のいくおしゃれなものにしたいですよね。

しかし、いざとなるとどのような色やデザインが流行っているのか、流行っていても自宅に似合うのか、迷ってしまってなかなか決められなくなるものです。

そこで今回は、外壁塗装の色やデザイン選びのポイントをご紹介します。いろいろなアイデアがありますので、お気に入りを見つけてオンリーワンの素敵な外壁塗装を実現してください。

 

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1 . 外壁塗装は10年に1度のイベント

2 . おしゃれな外壁を実現するテクニック

3 . デザインを決定づける「色」選び

4 . 色選び成功のコツ

5 . 外壁塗装の色やデザインは納得のいくまでチェックと準備をしましょう

1 . 外壁塗装は10年に1度のイベント

外壁塗装工事は決して安くありません。その上、工事期間中は「塗料の臭いは大丈夫かな」「ご近所に迷惑をかけないかな」などと心配も尽きません。どうしても億劫に感じてしまう人もいるでしょう。

しかし、塗装し直して生まれ変わった外壁を目の当たりにするのは壮観です。「10年に一度のイベント」として楽しむ気持ちで臨んでみてはいかがでしょうか。この「イベント」を楽しみながら、納得いく外壁塗装に行き着くためのポイントをご説明します。

 

1-1 一度決めたデザインは簡単には変えられない

一般的に外壁塗装に使われる塗料の耐用年数は、10年前後が多いです。このため、外壁塗装の塗り直しは10年サイクルが目安とされています。

しかし、たとえばフッ素系塗料の耐用年数は15~20年ほどありますし、反対にメンテナンスを怠ってしまった外壁塗装は10年持たないこともあります。塗り直しのタイミングは外壁の状態を見て決めましょう

いずれにしても外壁塗装は費用も手間もかかり、簡単には変えられないもの。一度決めて塗装した外壁の色やデザインとは、何年も一緒に暮らすことになります。慎重になるあまりなかなか決められなくなってしまうのは仕方ないことです。

業者からオススメを提案することもできますが、色やデザインは個人の感性によるところが大きく、絶対的な正解はありません。最終的には依頼主であるご自分が決めるしかないのです。

「色にもデザインにも詳しくないから、選ぶ自信がないな」「塗装してみて気に入らなかったら、10年も不満なまま過ごすのは嫌だな」と不安を感じる方も多いでしょう。

しかし、次にご説明するようなポイントを押さえておけば、後悔する事態を避けられる可能性はぐっと上がります。不安を解消して、楽しく外壁の色とデザインを選んでください。

 

1-2 外壁デザインで後悔しないために

配色やデザインは自由なものですが、使用する場所やものによって向き不向きがあります。とくに使用範囲が広い住宅の外壁は、服や日用品とはまた違った法則性があります

この点を踏まえて、外壁の色とデザイン選びの参考にできる方法を見てみましょう。

 

1-2-1 デザイン実績の豊富な業者に依頼する

具体的なイメージが思い付かないときは、業者の提案を参考にするのも良い方法です。そして提案をしてもらうなら、事例が多い方が希望の色やデザインに出会える可能性は上がります。

だからこそ、外壁の色やデザインを決めかねているときには、デザイン性の高い施工実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。気になる業者には過去の事例を見せてもらって、どれくらいの実績があるのか確認してください。業者の中にはデザインが得意なところも、あまり得意ではないところもあります。

老舗なら事例が多いという訳ではなく、新しい業者でも積極的にデザイン性が高い塗装を行っているところもあるのです

実績豊富な業者はデザインのカタログを用意していることが多いので、あるかどうか尋ねてみるといいでしょう。デザインカタログはモダンやナチュラルなどイメージごとに紹介しているものが多いので、漠然としていたデザインのイメージがどのような傾向にあるのか、ご自分の中でハッキリしてくるはずです。

また、デザイナーやカラーコーディネーターのようなデザイン関連に詳しいスタッフがいる業者も心強いです。色やデザインの組み合わせには相性があるので、専門の知識を持っているスタッフのアドバイスはぜひ参考にしてください。

 

1-2-2 派手な色は避ける

「原色」と呼ばれる、色の性格が強く出た派手な色をお好みの方も多いですよね。自宅の外壁を好きな色で塗りたいと思うのは当然のことです。しかし、あまりに派手な色を外壁塗装に使うのは避けた方が賢明です

なぜなら住宅の外壁は色の面積が広く、派手な色はより強く派手に感じられるため、悪趣味だと思われやすいからです。お店の場合は派手な外壁を目印にできるので、原色で塗装することもありますが、一般的な住宅をお店のように目立たせる必要はありませんよね。

原色を使いたい人は、例えば窓枠だけとか、ワンポイントのアートペイントにするなど、アクセントとして配色するといいでしょう。服でも全身原色は目立ちすぎてしまいますが、ポイント使いの差し色に使うとおしゃれですよね。

また、色は明るさや鮮やかさを変化させることで雰囲気が変わるので、同じ系統の中から外壁に向いた色を選ぶという方法もあります。例えば黄色の原色を外壁に塗ると派手過ぎますが、明るさを上げて白に近づけたパステルイエローや、少しにごりを加えたベージュなどは住宅の外壁にも馴染みます。

外壁は日常的に配色を考える機会があまりないので、向き不向きが心配なときは業者に相談してみましょう。

 

1-2-3 近隣の住宅を見て回る

お散歩などをしながら、10分ほど近所の住宅を見て回ることも効果的です。実は、近所の住宅や街の雰囲気を知っておくことは、外壁塗装をするときに意外と重要なのです。

周囲の様子に気を配らないまま外壁塗装をしてしまうと、その住宅だけを見たときにはキレイな仕上がりでも、近所の住宅と一緒に「街の風景」として見たときに浮いてしまっていることがあるのです。多くの人の目に触れる住宅の外壁だからこそ、ご近所との調和は大切にしてください。

古くからの景観を守るために、景観条例を定めている自治体もあります。京都の街では、全国にあるコンビニでもロゴや店舗の外観を通常のものより落ち着いた色味にしていますよね。これは景観条例で、街の雰囲気に馴染む色を使うように指定されているからなのです。

景観条例の対象となるのは店舗や公共施設のほか、高さが10m以上、延床面積が300㎡以上の建物であることが多いので、一般的な住宅が規制されることはあまりありません。

しかし、自宅が景観条例の指定区域に入っている場合は、周囲に馴染む外壁塗装を心がけた方が結果的に長く愛着を持てる仕上がりになるでしょう。ちなみに、自宅が景観条例の指定区域に入っているかどうかは、自治体のホームページで簡単に調べられます。

 

1-2-4 カラーシミュレーションも入念に

塗料メーカーや塗装会社がWEBサイトに公開している外壁塗装のカラーシミュレーションを利用すると、イメージが固めやすくなります。いろいろなパターンを試してお気に入りを探しましょう。

シミュレーションした内容を印刷すれば、業者にイメージを伝えるのもスムーズになって便利です。例えば、大手塗料メーカーのシミュレーションサイトには以下があります。

■ 日本ペイント…質問への回答や好みの外観などからおすすめの配色を提案してくれる診断のほか、自宅の写真を使ったカラーシミュレーションも可能です

■ 関西ペイント…破風や玄関柱など細かいパーツまでシミュレーションできます。モダンやナチュラルなどジャンル別のおすすめ配色も参考になります

■ エスケー化研テクスチャを使ってリアルな外壁塗装がシミュレーションできます。色数豊富でツートンカラーの配色もできるので、自由度が高いです

 

ただし、パソコンでシミュレーションした色は実際の色と見え方が違う点に気を付けてください。モニターの設定は使用する人の好みによって変えられるので、実はモニターによっても色の見え方は違います。また、モニターはRGB(赤・青・緑)の3色、プリンターはCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・黒)の4色を混ぜて色を出しているため、パソコンで作ったカラーシミュレーションをプリンターで印刷すると、多くの場合は色が違って見えます。

カラーシミュレーションは参考の1つに留め、塗料の色見本なども利用して最終的なイメージをまとめましょう。

 

2 . おしゃれな外壁を実現するテクニック

外壁のすべてを1色で塗ることだけが外壁塗装ではありません。複数の色を使ったりポイント使いでアートを入れたりと、さまざまなデザインテクニックがあります。これらを上手に取り入れて、ご自宅の外壁をおしゃれに生まれ変わらせましょう。

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2-1 ツートンカラー

2色に分割した配色を「ツートン」と呼びます。髪の染め方などでよく聞く言葉ですが、外壁塗装でも人気を集めています。とくに、新築時は1色で塗った外壁を塗り直しでツートンにすると、がらりと印象が変わって新鮮な気持ちになります。

ツートンカラーでよく見られるデザインは、1階部分と2階部分の塗り分けです。各色ごとに重心ができるので、しっかりと安定感のあるイメージが演出できます。また、縦ラインでの塗り分けもキレイにまとまるのでオススメです。

色を縦分割にすると引き締まった表情になり、洗練されたスマートなイメージに仕上がります。色の面積の比率で印象が変わるので、いくつかのパターンをシミュレーションしたり業者に相談したりして、見栄えのする配分を見つけてください。

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2-2 部分的に原色を使う

先ほど、外壁塗装に原色を使うのは避けた方がいいとご説明しました。しかし、原色をパーツごとのポイント使いにすると良いアクセントになり、一気におしゃれ度がアップします。

ポイント使いするときこそ、思い切って派手な原色を選びましょう。外壁の色は基本的に落ち着いた色味が多いので、コントラストがはっきりしてメリハリのある印象になります

具体的なパーツには、ドア、窓枠、雨戸、ベランダの手すりなどが挙げられます。白やベージュで塗った外壁の中に鮮やかな赤や緑がポイントで入っていると、見かけた人の目をぱっと引いて「おしゃれだな」「センスがいいな」と感じてもらえるでしょう。外壁にはあまり使われない色を塗るので、「周囲の住宅との調和は大切だけど、個性も出したい」と思っている人はぜひ試してみてください。

 

2-3 飾り絵を描く

外壁の一部に飾り絵を描くデザインも、近年施工例が増えています。デザインの配色やサイズは依頼ごとに様々で、まさにオンリーワンのアートといえるでしょう。

小さめのものだと、ドアの横にウェルカムボードのような歓迎の言葉を添えたイラストを描いたり、壁やベランダの一部に依頼主が好きな花や猫などを描いたりした外壁が人気です。

大きめのものだと、ベランダ全体に花と花びらを散らしたイラストを描いたり、一面にたくさんの魚や動物が遊んでいる姿を描いたりした外壁がよく見られます。

飾り絵は規模の幅が大きいのでどのような色が向いているかは一概に言えませんが、小さめのものほど原色のポイント使いに向いていますし、大きめのものほど外壁の色との調和が大切になってきます。特殊な技能が必要なデザインなので、施工できる業者かどうかしっかり確認しましょう。

 

2-4 外壁材の特性を活かす

近年は外壁材の種類も豊富になっており、サイディング外壁のようなデザイン性に優れたものが次々登場しています。外壁材が持つ個性をデザインに活かすアイデアもぜひ参考にしてください。

 

2-4-1 クリヤー塗料でサイディングを活かす

サイディング外壁は、近年シェアを伸ばしている外壁材です。その人気の理由は、あらかじめ板状につくられたボードを現場で貼り合わせて仕上げるため、施工期間が短く済む点にあります。そして金属や木材を使用したものまで材質がいろいろあり、色を練り込んであるものやレンガを模したものなどデザインが豊富な点も挙げられます。

このようなデザイン性の高い外壁材を使用している場合は、元々の色や質感を活かすために、透明な塗料を塗るクリヤー塗装がオススメです。ツヤ感がアップして、華やかでラグジュアリーな雰囲気になりますよ。

サイディング外壁は再塗装の必要がないといわれることもありますが、耐用年数が長めなだけで経年劣化は避けられません。このため、クリヤー塗装で防水性を高めて保護してあげることは、外壁材を長持ちさせることにもつながります。通常の塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本ですが、クリヤー塗装は下塗りと上塗りの2回塗りで仕上げるので、3回塗りより費用が抑えられるところも魅力です。

 

2-4-2 インパクト大!タイルとレンガ

現在よりインパクトのある外壁にしたい場合は、タイルやレンガの使用を考えてもいいでしょう。タイルやレンガを取り入れると外壁に立体感が出て、高級感や趣深さを演出できます。

1つひとつ微妙に色合いが異なるので、温かみのある表情になるところも見る人に好印象を与えます。古いヨーロッパの街並みや、明治大正期のモダン建築を連想させるレトロな雰囲気にまとまります。

ただし外壁すべてをタイルやレンガで仕上げると施工期間が長くなり、費用もサイディングの施工と比較して2倍ほどかかるので、使用する部分をしぼったポイント使いをするのもよいアイデアです。ドアや窓枠の周辺、外壁の角部分などにアクセントとして配置すると、インパクトがありおしゃれな外壁になりますよ。

一部だけ違う素材を使うと、メンテナンスは別に必要なのかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかしタイルやレンガは耐久性に優れているので、ベースの外壁と一緒にメンテナンスをすれば大丈夫です。

 

2-4-3 モルタル・漆喰には遊び心を

モルタルはセメントと砂を混ぜて水で練った外壁材、漆喰は石灰石に水を加えるとできる消灰石に糊などを混ぜた外壁材です。どちらも泥のような柔らかい状態のものを、コテで塗り広げる左官という技術で施工されます。

このため職人さんの腕によって仕上がりに差があり、施工期間も比較的長いため、サイディング外壁の隆盛とともにシェアが減少していました。しかし例えば漆喰は、日本古来のお城にも採用されている伝統的な外壁材。古い建物にはよく使われており、近年の古民家や古い店舗の持ち味を活かすリノベーションの流行により、急激に注目を集めています。

ご自宅の外壁材が元々モルタルや漆喰なら、アンティークな雰囲気を活かしたシックな塗装にしてもいいでしょう。また、費用はかかりますがサイディング外壁の上に漆喰やモルタルを塗ることも可能です。下地のサイディングの状態によってできるかできないか判断するので、業者に相談してください。

つなぎ目がないモルタルや漆喰の外壁は選べるデザインの幅が広く、遊び心を存分に発揮できるキャンバスになります。

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2-4-4 木材と相性抜群のガルバリウム

サイディング外壁の中でも金属サイディングに分類されるものに、ガルバリウム鋼板があります。耐用年数が長く重量が軽いことから屋根材にも使用される、アルミと亜鉛の合金をめっきした金属板です。外壁材にガルバリウム鋼板の質感を活かすと、金属的でクールな仕上がりになるのが特徴。

ここに玄関まわりやベランダだけ木材を使用するなどして木の質感を加えると、都会的な雰囲気と温かみのある雰囲気が混ざり合った、現代的でスタイリッシュな外壁にまとまります。

ガルバリウム鋼板は薄くて軽いので、サイディング外壁のカバー工法にも向いています。カバー工法とは、元々ある外壁に新しい外壁をかぶせる施工方法。外壁のイメージをガラリと変えたい場合は、塗装以外にこのような外壁リフォームも検討してみてください。

エンド_木材とガルバリウム鋼板の組み合わせ_356425

 

3 . デザインを決定づける「色」選び

外壁のイメージを決めるもっとも重要なポイントは、やはり「色」。

だからこそ、ご自宅の外壁をどのような色で塗るかの悩みは尽きないですよね。迷ってしまうときは、人気の色や定番の配色を知っておくことをオススメします。人気のある色や配色は「多くの人に支持されている」といえるので、塗装面積が広く多くの人の目に触れる外壁に向いていると言えます。よりたくさんの人に好感を持って受け入れられるでしょう。

また、外壁の色に少し個性を持たせたいと考える人も、人気や定番を押さえておくと便利です。なぜなら人気色を基準にして調整すれば、個性を出しても「ダサい」とか「悪趣味」と思われる色にはなりにくいからです。

ぜひ、人気の色と定番の配色をチェックして、ご自宅の外壁塗装の参考にしてみてください。

 

3-1 色の人気ランキング

それではまず、近年のランキング上位の常連となっている人気色を7色ご紹介します。

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3-1-1 ベージュ

黄色でもなく茶色でもなく、その中間のようなほどよさを持つベージュは、見る人に「和やか」「親しみやすい」「マイルド」などのイメージを与えます。明る過ぎず暗過ぎず、軽過ぎず重過ぎず、絶妙なバランスの色です。このためどのような色とも相性が良く、景観の邪魔をしないことから、外壁塗装にもっとも多く選ばれています

ベージュ1色で塗装すると地味になりがちなので、窓枠などのポイント使いで差し色を入れるとメリハリが出ます。

ペイントクリーン_外壁がベージュの家

 

3-1-2 白

「白亜の宮殿」という表現もあるように、白い外壁はいつでも多くの人の憧れです。白は見る人に「清らか」「爽やか」「純真」などのイメージを与えます。ピンクのようなかわいらしい色と組み合わせればロマンチックに、青のようなキリっとした色と組み合わせればクールにと、配色によってさまざまな表情を見せるところも魅力

ただし白の外壁は汚れが目立つので、防汚機能がある塗料を塗るなどして対策しましょう

ペイントクリーン_外壁が白の家

 

3-1-3 グレー

白と黒の中間に位置し、主張が強くなりすぎないグレーは、見る人に「シック」「奥ゆかしい」「理知的」などのイメージを与えます。落ち着いた大人っぽい雰囲気が人気の理由ですが、実はもう1つ、意外と重要な理由があります。グレーは汚れが目立ちにくいのです。

なぜなら外壁に付く汚れはチリやホコリ、カビなど、グレーから黒っぽい色が多いからです。もちろん実際には汚れているので、清掃を忘れないようにしてください

ペイントクリーン_外壁がグレーの家

 

3-1-4 茶色

自然のぬくもりが感じられるいわゆるアースカラーの茶色は、見る人に「アンティーク」「味わい深い」「重厚」などのイメージを与えます。ベージュ同様に相性の良い色が多く、周囲に馴染みやすいことから人気の色です。

また、グレー同様に汚れが目立ちにくく、特に油分が多い排気ガス汚れや茶色くくすんだカビやコケなどが分かりにくいところも人気。オレンジに近いものから黒に近いものまで色の幅が広く、選ぶ楽しさがあります。

ペイントクリーン_外壁が茶色の家

 

3-1-5 黄色

明るく元気な色の代表格は黄色ではないでしょうか。

黄色は見る人に「にぎやか」「鮮やか」「ダイナミック」などのイメージを与えます。はつらつとしてポップな色なので、お子さんのいるご家庭にはとくに人気です。ただし、黄色の原色1色で外壁を塗ると色味が強すぎて周囲から浮いてしまう可能性が高いので、白に近い淡い色味を選んだり、白や茶色と組み合わせて使用する面積を減らしたりなどの工夫をするといいでしょう。

 

3-1-6 緑

緑の外壁はアメリカやヨーロッパでよく見られ、近年は日本でも欧米風のモダンな雰囲気を演出できることから人気が高まっています。緑の原色は見る人に「健康的」「躍動的」「安全」などのイメージを与えますが、黄色に近い黄緑や青に近い青緑、鮮やかなエメラルドグリーンや重厚なダークグリーンなど、選べる色味にはかなり幅があります。濃い目の緑は黒っぽいホコリ汚れも緑っぽいコケも目立ちにくいのでオススメです。

ペイントクリーン_外壁が緑の家

 

3-1-7 ネイビー

濃紺とも呼ばれるネイビーは、近年とても人気が高まっている色です。ネイビーは見る人に「本格的」「風格がある」「キリリとしている」などのイメージを与えます。重厚でどっしりした雰囲気ですが黒よりも軽やかで、格式を漂わせながらカジュアルさも感じさせるところが魅力です。

ただし、外壁全体をネイビー1色で塗ると重過ぎる印象になることもあるので、このような場合は白や茶色と組み合わせて軽さを出しましょう

 

3-2 ツートンのおすすめ配色

次にツートンカラーで塗る場合にオススメする、定番の配色を4パターンご紹介します。

 

3-2-1 白×黒

モノトーンの反対色同士を組み合わせた白と黒のツートンの外壁は、シャープでかっこいいイメージにまとまります。白と黒を同じ面積で配置して、均衡の取れたコントラストを楽しむのもいいですし、白はソフトに、黒はハードに演出することが得意なので、両者の比率をいろいろ変えてみて好みの雰囲気に調整するのもオススメです。

エンド_外壁が白×ツートンの家_379304

 

3-2-2 白×茶

白と茶色のツートンの外壁は、温かみの中に優雅な雰囲気も感じられるところが魅力です。特に茶色を暗めのダークブラウンにすると、引き締まった印象を加えられるのでオススメ。白と茶色を交互に縦割りで塗るとさらにスマートになります。

白は汚れが目立つので、雨樋の周辺など汚れやすい部分に汚れが目立ちにくい茶色を入れるのもいいでしょう。

ペイントクリーン_外壁が白×茶のツートンの家

 

3-2-3 クリーム×グレー

白に黄色味がプラスされたクリーム色は、明るく柔らかでどんな色とも馴染みます。エレガントで落ち着いた印象を与えるグレーと組み合わせると、優しさと洗練された雰囲気がバランス良く感じられて、垢抜けた印象に。そして実は、クリーム色もグレーも汚れが目立ちにくい色です。

清掃の手間を減らしても、長くキレイな色が楽しめます。

ペイントクリーン_外壁がクリーム×グレーのツートンの家JPG

 

3-2-4 グレー×茶

都会的で大人っぽいイメージのあるグレーは、1色だけだと人工的で冷たいイメージも与えやすい色です。このため、アースカラーのぬくもりを感じる茶色をプラスすると、優しい雰囲気が演出できます。茶色は塗料で表現するだけでなく、木の風合いを生かしたドアにしたり、窓枠周辺に木目調の部材を使ったりしてもおしゃれに仕上がりますよ。

ペイントクリーン_外壁がグレー×茶のツートンの家

 

4 . 色選び成功のコツ

外壁塗装のイメージが固まったら、最終的には色見本を見てどの塗料を使うか決定します。実はここでもまだ気は抜けません。色選びの最終段階でつまずいてしまわないよう、成功のコツを説明します。

 

4-1 色見本はA4サイズで確認する

業者に色見本を見せてもらうときは、まず塗料メーカーのカタログに目を通すことになります。ここで気に入った色の塗料があったら、必ずその塗料を実際に塗ったA4サイズの塗り板を用意してもらってください

なぜなら、カタログの色見本はとても小さいので、外壁に塗ったときとは印象が変わってしまうからです。人間は色の面積が広いほど、その色の特徴を強く感じるようになっています。これを「色の面積効果」と言います。本当はA4サイズでも小さいくらいなのです。

しかし、現実的に外壁と同じ大きさの塗り板を用意してもらうのは難しいですから、まずはA4サイズの塗り板を見てイメージと合っているか確認しましょう。

 

4-2 色見本は日光に当てて確認する

お店で気に入った服を買って家で着てみたら、なんだか色のイメージが違っていた……という経験はないでしょうか。実は色の見え方は光に大きく左右されるので、お店の照明と家の照明の違いによって見え方が違っても不思議ではありません。

これは外壁の色についても同じこと。外壁は屋外にあるものなので、色見本のチェックも屋外の太陽光の下で行わないとイメージを把握できません。せっかく塗り板を用意してもらっても、室内の照明の下で見ているだけではあまり意味がないのです。

できれば夜間や天気が悪い日にも屋外で色見本を見るようにして、色のイメージが合っているかどうかを多角的にチェックしてください。

 

4-3 色見本を実際の外壁に当ててみる

実際に塗装されたイメージを把握するなら、塗装する予定の外壁に色見本を直接当てて見てみるのが良い方法です。現状の外壁と色見本を見比べれば、どのようなイメージの変化があるかよく分かりますよ。

このとき必ずしてほしいチェックが、遠景からの見え方です。塗り板を壁に当てたまま少し離れ、遠目に見ても違和感がないか確認してください。A4サイズの塗り板だとなかなか難しいかもしれませんが、周囲の景観に馴染んでいると感じられるかも重要です。

 

4-4 完成イメージに近い近隣の家を観察する

色見本で色のイメージが具体的になってきたら、ご近所を歩き回ってそのイメージに近い色で塗られた外壁の住宅を探してみてください。全体がイメージの色で塗られた外壁を太陽光の下で観察できれば、カラーシミュレーションや塗り板よりもずっとリアルなイメージをつかめます。よく見てみると「ちょっと違うな」と思うところがあるかも知れません。

後悔しない外壁塗装のために、とても有効な手段です。

 

5 . 外壁塗装の色やデザインは納得のいくまでチェックと準備をしましょう

一度決めた外壁塗装の色やデザインは、簡単には変えられません。そこで、後悔しない外壁塗装を実現するために、次の4点を心がけてください。

■ デザイン実績が豊富な業者に依頼する ■ 派手な色は避ける ■ 近隣の住宅や景観と馴染む色を選ぶ ■ カラーシミュレーションを行う

 

おしゃれな外壁デザインのテクニックには、ツートンカラー、部分的な原色使い、飾り絵のほか、サイディング外壁やモルタル、漆喰などの外壁材の個性を活かす方法もあります。

そして、外壁の印象をもっとも左右する色選びをするときには、人気の色や定番の配色を参考にするとセンス良くまとまります。イメージが固まってもまだ気を抜かず、A4サイズの色見本を太陽光の下で見たり実際の外壁に当ててみたりして最終的なチェックをしてください

ここで納得いけば、おしゃれな外壁塗装がきっと実現するはずです。

 

 

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