2024-04-04 09:13:14 更新

外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ

外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁塗装を依頼する時には、条件を満たすことで「火災保険」を利用し、リフォーム費用の負担を軽減できることがあります。火災保険を利用するためには、自然災害の被害によって必要になった外壁塗装であることを証明する必要があり、経年劣化や自己都合による外壁塗装では保険金は支払われません。

今回の記事では、外壁塗装で火災保険が適用される条件について、補償を受けるまでの流れや注意点、業者の選び方とともに解説します。

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目次閉じる

外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件

外壁塗装で火災保険の補償を受けるまでの手順

外壁塗装で火災保険を使う時に押さえておきたい注意点

火災保険を使った外壁塗装は相見積もりを取って比較・検討を

まとめ

外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件

自宅の外壁塗装で火災保険を使うためには、少なくとも以下の4つの条件を満たしておく必要があります。

  • 自然災害によって被害を受けた外壁のリフォームである
  • 災害による被害が保証される契約内容である
  • 外壁の被害から3年以内に申請している
  • 火災保険の免責金額を上回る補修費用である

それぞれの条件について、詳しく解説しますので、自宅の外壁塗装が当てはまるかどうかをチェックしてみてください。

自然災害によって被害を受けた外壁のリフォームである

外壁塗装で火災保険を利用できるのは、自然災害によって被害を受けた外壁で補修が必要になった場合に限られます。台風や豪雪、落雷などの災害によって外壁が傷んでしまい、外壁塗装が必要となった場合にのみ、火災保険の補償が受けられます。そのため経年劣化による外壁塗装や、機能性を高めるための外壁塗装では火災保険は使えないことに注意してください。

なお、自然災害の中でも「地震」による外壁の損傷は、火災保険で保障されない点にも注意が必要です。地震による被害で補償を受けるためには、別途地震保険に加入していることが条件です。

そのため外壁塗装で火災保険を使用する場合、まずは何の自然災害によって外壁塗装の必要性が生じたのか、しっかりと把握しておくことが大切です。

災害による被害が保証される契約内容である

外壁塗装で火災保険が使えるかどうかは、加入している保険の契約内容によっても変わってきます。一般的に戸建て向けの火災保険には、「住宅火災保険」「住宅総合保険」「オールリスクタイプ」の3種類があり、どの保険に加入しているかによって補償範囲が異なるのです。

中でも注意が必要なのは、「住宅火災保険」に加入している場合です。住宅火災保険では、火災・落雷・豪雪・風災による被害が保障される一方で、水害・水漏れによる被害は対象外となっています。もし大雨や洪水による水害で家の外壁が傷んでしまった場合に、住宅火災保険に加入している家では、火災保険を使った外壁塗装ができない点に注意しましょう。

「住宅総合保険」「オールリスクタイプ」の場合には、より広範囲の自然災害が補償範囲となっており、自然災害による外壁の被害であれば補償される可能性が高いです。

外壁の被害から3年以内に申請している

外壁塗装で火災保険を使うためには、被害を受けてから3年以内に手続きを済ませる必要があります。3年を超えると被害原因の特定が困難になり、保険金が請求できなくなるためです。火災保険を使った外壁塗装を検討している場合には、早めに保険会社や塗装業者に連絡して、手続きや工事を進めることが大切です。

なお、すでに外壁塗装工事を自費で行っている場合にも、被災から3年以内であれば、請求書などの書類を準備することで保険金を請求することは可能です。火災保険を使わずに外壁塗装が完了していたとしても、保険金の申請手続きを検討してみると良いでしょう。

火災保険の免責金額を上回る補修費用である

火災保険には、一定の金額以下の補修工事は補償されない「免責金額」が設けられています。自然災害によって外壁が損傷を受けた場合にも、外壁塗装の費用が免責金額以下であれば、火災保険は使えません。たとえば、免責金額が10万円に設定されていた場合には、5万円の外壁塗装費用は補償されず、50万円の外壁塗装費用が発生した場合には10万円を差し引いた40万円が補償額の上限となります(エクセス方式の場合)。

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外壁塗装で火災保険の補償を受けるまでの手順

外壁塗装で火災保険の補償を受ける場合、次のような流れで手続きを進める必要があります。

  • 外壁塗装の見積もりを取得する
  • 保険会社に連絡して申請手続きを行う
  • 鑑定人による現地調査を受ける
  • 審査結果によって保険金が支払われる

上記の手順について、一つひとつ解説していきましょう。

外壁塗装の見積もりを取得する

まずは自然災害によって傷んでしまった外壁の状態について、専門業者に現地調査を依頼して、費用の見積もりを作成してもらうと良いでしょう。ここで見積もり金額が火災保険の免責金額を超えていることを確認しておくと安心です。見積もりの際には、自然災害による被害であることや、火災保険を利用したいことを伝えておくと良いでしょう。火災保険の申請に慣れている業者であれば、被災した箇所の写真を撮影してくれるなど、保険金の請求までをスムーズに進めることが可能です。

なお、外壁塗装の見積もりを依頼する時には、適正価格で工事を依頼し、営業担当者の対応を見比べるためにも、複数の業者から相見積もりを取って比較するのがおすすめです。

関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

保険会社に連絡して申請手続きを行う

次に、加入している保険会社に連絡し、保険金を請求したい旨を伝えましょう。保険会社から指示される通りに、請求書の作成や見積書の準備を進めてください。事前に火災保険を使いたいことを伝えてある場合には、外壁塗装業者が必要書類の準備を手伝ってくれることも多いです。

なお、保険金の請求だけは、契約者本人でなければできない点にご注意ください。

鑑定人による現地調査を受ける

必要書類を準備して保険会社に提出すると、保険会社から派遣される鑑定人が自宅の状態をチェックし、被害を受けた外壁の鑑定が行われます。鑑定人は保険会社から独立した中立の立場で審査を行い、火災保険が使えるかどうか、保険金額がいくらになるのかを鑑定します。この鑑定人の結果をもとに、火災保険の請求の可否、そして保険金額が決定されます。

鑑定結果によっては、火災保険の請求が却下される可能性もあります。却下されれば保険金は請求できず、自費での修理が必要となってしまいます。実際とは異なる写真や書類を提出した場合などは却下される可能性が高まるので、必要書類は正確に作成することが重要です。

審査結果によって保険金が支払われる

自宅の鑑定結果と保険会社での審査を経て、問題がなければ保険金が支払われます。保険金の支払いは、請求手続きが完了してから30日以内とされており、早ければ1週間程度で入金されることもあります。

ただし、大規模な災害の直後などは火災保険の請求が集中し、支払いが遅れることもあるので注意しましょう。

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外壁塗装で火災保険を使う時に押さえておきたい注意点

外壁塗装で火災保険を使う時には、以下の3つの注意点に気をつけながら手続きや工事を進める必要があります。

  • 火災保険を使った無料工事をアピールする悪徳業者に注意
  • 保険金額が全額受け取れるとは限らない
  • 被害を証明する写真を用意する必要がある

予想外の自己負担額が発生したり、火災保険の請求ができなくなったりする事態を防ぐためにも、それぞれの注意点を理解しておきましょう。

火災保険を使った無料工事をアピールする悪徳業者に注意

火災保険を使った外壁塗装について、訪問営業や業者のチラシ・広告などを通じて知った方も多いでしょう。「火災保険を使えば無料で工事ができると持ちかけてくる」「保険金請求の代行をアピールしてくる」など、火災保険を使って安価に外壁塗装ができることを強調してくる業者には注意が必要です。

火災保険の契約内容は一軒一軒で異なり、無料で外壁塗装ができるとは限らないにも関わらず、無料工事を積極的にアピールするのは悪徳業者の疑いが強いからです。こうした業者に依頼した場合、本人になりすまして保険金を請求したり、「手数料」と称して保険金の一部を別途請求したりする手口も見られます。

悪徳業者とのトラブルに巻き込まれてしまわないよう、火災保険の契約内容や保険金請求の流れについてしっかり理解した上で、相見積もりを取りながら信頼できる業者を選ぶことが大切です。

保険金額が全額受け取れるとは限らない

外壁塗装で火災保険を利用する際には、保険金額が全額受け取れるとは限らない点にも注意してください。支払われる保険金は、契約した保険金額ではなく、鑑定人による鑑定結果に左右されます。たとえば、100万円の保険金を請求したが、保険会社からは60万円しか支払われないケースも考えられます。その場合に100万円の外壁塗装を依頼していたとすれば、差額の40万円は自費で支払う必要が出てきます。

そのため外壁塗装で火災保険を使用する際にも、火災保険をあてにして工事を先に進めてしまわないように注意しましょう。

被害を証明する写真を用意する必要がある

外壁塗装で火災保険を利用するためには、自然災害による被害を証明する「写真」を用意しなければなりません。台風や豪雪などで被害を受けた後、すぐに片付けや応急処置を行うケースが多いですが、その前に必ず被害を証明する写真を残しておいてください。撮影する写真には、他人の家ではなく自宅の状況であることを証明するため、表札なども含めておくと安心です。

ただし、二階部分の外壁など被害が高所にまで及ぶ場合には、個人で写真を撮影するのは困難なケースもあります。その際には外壁塗装の専門業者に依頼し、火災保険の手続きに必要な写真を撮ってもらうよう依頼することをおすすめします。

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火災保険を使った外壁塗装は相見積もりを取って比較・検討を

外壁塗装で火災保険を利用する際には、本記事で解説してきた通り、申請条件や手続きの流れ、注意点などをクリアする必要があります。保険金の請求には、外壁塗装業者の協力も不可欠なので、まずは信頼できる業者を見極めることが重要になります。

外壁塗装や火災保険の請求を安心して任せられる業者を選ぶためには、複数の業者の対応・費用を比較しながら決める「相見積もり」を活用するのがおすすめです。同じ条件・同じ塗装面積で条件を揃えて複数の業者に見積もりを依頼することで、相場を把握するのに役立ち、営業担当者の対応も見比べることができます。

加えて、火災保険を使った外壁塗装の実績がある業者であれば、安心して工事を依頼できるでしょう。塗装業者のホームページから施工実績などもチェックしながら、信頼できる業者選びを進めましょう。

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まとめ

外壁塗装で火災保険を適用するためには、自然災害によって被害を受けた外壁のリフォームであること、被災から3年以内に申請していること、免責金額よりも補修費用が高額となることなどが条件です。保険金の請求のためには、専門業者から提示された見積書の提出や、鑑定人による現地調査が必要になるため、補償を受けるまでの流れもしっかりと確認しておきましょう。

また、火災保険を使った無料工事をアピールしてくる業者には注意する必要があるほか、被害を証明する写真を補修工事の前に撮影していくことも重要です。本記事で解説してきた内容をもとに、火災保険を使って費用負担を抑えながら外壁塗装を依頼しましょう。

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