2024-04-11 08:03:13 更新

屋根の葺き替え工事とは?費用相場やカバー工法・屋根塗装との違いを解説

屋根の葺き替え工事とは?費用相場やカバー工法・屋根塗装との違いを解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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屋根の葺き替え工事は、屋根の下地・屋根材を含めた全体を交換する工事で、新築同様の耐久性を取り戻す効果が期待できます。屋根塗装やカバー工法といった工事と比べると、大規模なリフォームとなり費用相場も60万円~200万円と高額ですが、屋根の劣化が激しい場合やデザインを一新したい場合におすすめの工事となっています。

しかし屋根の葺き替え工事には明確な定価が存在しておらず、見積もりを依頼する業者によって金額がまちまちになることも珍しくありません。悪質な営業方法で葺き替え工事を提案する悪徳業者も存在するため、葺き替え工事のメリット・デメリットについて理解を深めておくことが重要です。

本記事では、屋根の葺き替え工事について、費用相場やカバー工法・屋根塗装との違いとともに解説します。

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目次閉じる

屋根の葺き替え(ふきかえ)工事とは?

屋根の葺き替え工事費用は60万円~200万円が相場

屋根の葺き替え工事を行うメリット

屋根の葺き替え工事を行うデメリット

屋根の葺き替え工事は外壁塗装と同時依頼がおすすめ

まとめ

屋根の葺き替え(ふきかえ)工事とは?

ここではまず、住宅の屋根の葺き替え(ふきかえ)工事についての基本知識について解説します。

下地を含めた屋根全体を交換する大規模リフォーム

屋根の葺き替え工事は、下地を含めた屋根全体を新品に交換する大規模な屋根リフォームを指します。古い屋根材を全て撤去・処分し、新たな屋根材を施工するのが特徴です。屋根からの雨漏りが広範囲に広がっている場合など、屋根の劣化が激しい場合に検討するケースが多く、今後も長く住み続ける予定がある家に最適な工事内容です。

ちなみに、葺き替え工事の「葺く(ふく)」とは、板や瓦などで屋根を覆う動作のことを指します。葺き替え工事とともに屋根リフォームの一つとして知られるカバー工法は、別名「重ね葺き」とも呼ばれます。屋根リフォームでもたびたび目にする用語なので、覚えておいて損はないでしょう。

葺き替え工事とカバー工法・屋根塗装の違い

屋根の葺き替え工事と「カバー工法」(重ね葺き)は、どちらも屋根の耐久性を伸ばす工事ですが、古い屋根材を撤去するかどうかに大きな違いがあります。葺き替え工事は屋根全体を新しいものに交換する一方で、カバー工法は古い屋根材をそのままに、上から屋根全体を覆う(カバーする)ように新たな屋根材を設置する工事です。

古い屋根材の撤去・処分費用がかからないことから、葺き替え工事と比べてカバー工法は、リフォーム費用が安く抑えられることが多いです。工期も短くなるメリットがあるのでカバー工法を選ぶ方は少なくないですが、屋根の重量が増えることで家の耐久性が低下したり、屋根の厚みが増えることで次回の屋根リフォームのコストが増加したりするデメリットもあります。

また、「屋根塗装」は屋根材の表面を保護するため、防汚性・防水性などを備えた塗料を塗ることを指します。屋根の塗料は紫外線や風雨によって劣化するため、定期的な塗り替えが必要になります。しかし屋根塗装をせずに放置すると、屋根材の保護機能が失われて屋根材が傷んでしまい、カバー工法や葺き替え工事が必要な状態にまで悪化してしまいます。

関連記事:屋根カバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット、工事できない家の条件も

関連記事:屋根塗装の相場は40〜80万円が目安!坪数ごとの費用や内訳、安く抑えるコツを紹介

屋根の葺き替え工事が向いている人

屋根からの雨漏りや屋根材のはがれが発生している場合、葺き替え工事やカバー工法が必要となります。中でも葺き替え工事が向いているのは、今後20年〜30年以上自宅で住み続ける予定がある方です。また、築40年以上の建物では、屋根にアスベストが使われている可能性が高く、アスベストを除去するためにもカバー工法よりも葺き替え工事が推奨されます。

なお、屋根材の劣化が激しい場合や、長期間雨漏りを放置してしまった場合にはカバー工法を選択できないため、必然的に葺き替え工事を依頼することとなるでしょう。

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屋根の葺き替え工事費用は60万円~200万円が相場

屋根の葺き替え工事で必要となる費用は、30坪の家で60万円~200万円が目安です。この金額には、古い屋根材の撤去・処分費用も含まれており、家の広さや交換する屋根材によっては相場よりも高額になることもあります。

ちなみに、カバー工法の費用相場は80万円~120万円、屋根塗装の費用相場は40万円〜80万円が目安となっています。部分的な雨漏りの補修工事などの場合には、5万円〜30万円程度の費用に収まることが多いです。

ほかの工事と比べると、葺き替え工事には高額な費用が必要となりますが、新品の屋根材に交換することから家の耐久性が大きく延び、長期的に見た時のメンテナンスコストが節約できるメリットがあるので、積極的に検討してみると良いでしょう。

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屋根の葺き替え工事を行うメリット

続いて、カバー工法と比較して屋根の葺き替え工事を選ぶメリットについて、以下の3点を解説します。

  • 屋根の耐用年数が大きく延びる
  • 新たなデザインの屋根に交換できる
  • 将来の屋根リフォームの費用が抑えられる

これらのメリットを考慮しながら、葺き替え工事を検討してみましょう。

屋根の耐用年数が大きく延びる

葺き替え工事は、家の屋根の耐用年数を大きく延ばせる工事です。一般的な住宅に使われる屋根には、約20年〜50年と耐用年数が決まっており、寿命を過ぎると雨漏りなどの住宅を傷めるトラブルの原因になります。葺き替え工事によって屋根全体を新品に交換することによって屋根の耐用年数がリセットされ、約20年〜50年寿命を延ばすことができるので、今後も長く住み続ける予定がある場合に最適です。

新たなデザインの屋根に交換できる

葺き替え工事では古い屋根材を新しい屋根材に交換するので、最新のデザインを取り入れた屋根にリフォームできるメリットもあります。ホコリや汚れのないキレイな屋根を取り戻せることから、家の外観にこだわりたい方に適しています。以前の屋根材とは異なる色やデザインを選ぶことで、家の雰囲気をガラッと変えることもできるでしょう。

将来の屋根リフォームの費用が抑えられる

カバー工法と比較して葺き替え工事では、将来の屋根リフォーム費用が抑えられるというメリットもあります。カバー工法の場合、古い屋根材の上から新しい屋根を設置するため、今後もし屋根の葺き替え工事や家の解体工事を行った場合には、二層分の屋根材の撤去・処分費用が発生します。葺き替え工事の場合には古い屋根材を新しい屋根材に交換し、屋根は一層に保たれるので、長期的なメンテナンスコストを抑えることができるのです。

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屋根の葺き替え工事を行うデメリット

屋根の葺き替え工事を検討する際には、カバー工法と比べて以下のようなデメリットがある点も押さえておきましょう。

  • カバー工法と比べて費用が高額になる
  • 大規模なリフォームのため工期が長期化する
  • アスベスト処理の追加費用が発生することも

これらのデメリットも踏まえつつ、どのような屋根リフォームを実施するか検討するのが大切です。

カバー工法と比べて費用が高額になる

屋根の葺き替え工事には、カバー工法にない「古い屋根材の撤去・処分費用」が上乗せされるため、費用相場が高額になりやすいのがデメリットです。長期的に見れば屋根のメンテナンスコストを抑えられるのは葺き替え工事なのですが、一時的な費用負担が大きくなりやすいのも葺き替え工事の特徴となっています。

屋根の葺き替え工事では、自治体の補助金・助成金や、自然災害を原因とする屋根リフォームで使える火災保険、あるいはリフォームローンなども利用できるので、各種制度を利用しながら資金を用意する方が多くいらっしゃいます。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金まとめ|申請方法・条件や注意点を解説

関連記事:外壁塗装で火災保険が適用される4つの条件とは?費用を抑えた工事のコツ

大規模なリフォームのため工期が長期化する

葺き替え工事は、屋根リフォームの中で最も大規模な工事であり、工事期間も長期化する傾向にあります。工期が延びることで人件費が発生して費用が高額になりやすいほか、工事中の日常生活への影響が大きくなります。また、工事で発生するホコリ・汚れが近隣に飛散する可能性も高く、近隣への配慮が必要になることもデメリットです。

アスベスト処理の追加費用が発生することも

一般的な戸建て住宅には、安価で耐久性に優れる「スレート屋根」と呼ばれる屋根材が使用されていますが、2004年以前に製造されたスレート屋根の場合、アスベストを含有している可能性があります。自宅の屋根にアスベストを含む屋根材を使用していた場合、アスベストの処分費用が追加で発生するため、アスベストを含まない屋根の葺き替え工事よりも高額な見積もり金額となります。

ただし、屋根に使われているアスベストを早い段階で除去しておくことは、将来の除去費用を節約する効果も見込めるので、カバー工法よりも葺き替え工事を積極的に検討するのもおすすめです。

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屋根の葺き替え工事は外壁塗装と同時依頼がおすすめ

本記事では屋根の葺き替え工事について詳しく解説してきましたが、葺き替え工事とともにぜひ検討したいリフォームがあります。それが「外壁塗装」です。

屋根と同様に家の外壁も、紫外線や風雨で劣化しやすい部位であり、定期的な外壁塗装が必要となります。外壁塗装せずに放置すれば、屋根と同じようにカバー工法や張り替え工事で高額な費用が発生するため、定期的にメンテナンスすることが重要になります。

また、屋根の葺き替え工事では、高所で安全に作業するために「足場」の設置が必要になりますが、この足場はそのまま外壁塗装でも使い回せるメリットがあります。葺き替え工事と外壁塗装を別々に依頼した場合、その都度足場代が発生してしまいますが、同時に依頼すれば足場の組立・解体が1回で済みます。

その結果、リフォーム全体で発生する費用も抑えられるので、屋根の葺き替え工事を検討する際には、外壁塗装の見積もりも同時に取り寄せてみることをおすすめします。

関連記事:【2024年版】外壁塗装の費用相場はいくら?10坪〜100坪の適正価格と安く抑えるコツ

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まとめ

屋根の葺き替え工事は、下地を含めた屋根全体を新品に交換する工事であり、カバー工法や屋根塗装と比べると規模の大きなリフォームとなります。そのため費用相場は60万円~200万円と高額になる傾向がありますが、屋根の寿命が大きく延びる点や、将来の屋根リフォーム費用が抑えられるなどのメリットがあります。

屋根の劣化が激しく、部分補修やカバー工法では雨漏りを解消できない場合や、使用している屋根にアスベストが含まれている場合にも、長期的なメンテナンスコストを考慮して葺き替え工事が推奨されることがあります。また、葺き替え工事を依頼する際には、足場をそのまま使用してリフォーム費用を節約できるよう、外壁塗装を同時に施工することも検討してみてください。

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