2024-03-26 10:50:42 更新

外壁塗装と助成金|最大30万円以上!?利用条件と申請の方法を徹底解説

外壁塗装と助成金|最大30万円以上!?利用条件と申請の方法を徹底解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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住宅にかかる工事の費用は、決して安くはありません。業者からの見積もりを値切ったところで、それにも限界があるというもの。そんなとき、頼りになるのが助成金です。いつ、どのような助成金を受け取ることができるのかを知っておきましょう。

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1 . 外壁塗装に助成金が出るってホント?

2 . 助成金の対象になる外壁塗装の種類について

3 . 申請の流れ

4 . 外壁塗装の助成制度を利用する際の注意点

5 . 費用の負担を少しでも減らせるよう、制度を有効に利用しましょう

1 . 外壁塗装に助成金が出るってホント?

外壁塗装の工事にかかる費用は、30坪の土地の家でおよそ70万~90万円。屋根塗装も加えると、さらに10万~20万円ほど上乗せされます。この金額を見て、工事を躊躇ってしまう人もいることでしょう。
しかし、外壁塗装工事を行う際、自治体から助成金が出ることをご存知でしょうか。「地域の業者の仕事が増えて活性化に繋がる」「環境に配慮した住宅に生まれ変わる」というのが、助成金の目的です。

受け取れる助成金の相場は10万~20万円程度。対象となるにはいくつかの条件があります。外壁塗装の経済的な負担を少しでも軽くできるよう、利用条件や申請方法について知っておくことが大切です。

1-1 自治体ごとに違う助成制度

外壁塗装工事を行う際、自治体から助成金・補助金を受け取れます。原則として返済は不要であり、工事をする家庭の負担は大きく減少されます。必ず利用したい制度です。
申請の方法や条件、支給額などは各自治体によって異なりますので、まずは内容を確認しなくてはいけません。しかし、申請を希望しても、すでに締め切られている場合もあります。
自治体ごとに予算が組まれており、希望者が多ければ上限に達してしまうからです。ですから、見積もりを早めに出すなどの対応も必要になります。

そして、自治体によっては制度自体が設けられていないところもあるので注意が必要です。

1-2 平均助成額は10~20万円

自治体から支給される助成金には制限があり、上限額は10万~20万円ほど。地域によっては30万円を超えるところもあります。目安として、いくつかの地域における助成金額や内容を挙げておきましょう。

図 02

助成金や補助金を実施している自治体の一部になりますがこれをご確認いただけると、相場は10万~20万円といったところでしょう。
この助成金ですが、どこで実施しているのか、あるいは自分の住んでいる地域が助成金の対象であるかを調べるのに適したサイトがあります。
『地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト』です。住んでいる地域を入力し、検索するだけで、助成金が出るかどうか簡単に調べることができます。

助成金と補助金の違いとは

補助金も助成金も国や地方公共団体、あるいは民間団体から支出されて原則は返済不要。では、それぞれにどのような違いがあるのでしょうか。
まず補助金ですが、これは全体予算が決まっており、最大何件という枠があります。そのため、公募方法によっては抽選や早い者勝ちになるなど、申請しても受け取れない可能性もあります。
一方、助成金は受け取るための要件が決まっているため、それを満たしてさえいれば、厳しい審査もなく、ほぼ確実に支給されます。

2 . 助成金の対象になる外壁塗装の種類について

外壁塗装で助成金を受ける条件として「地球環境に配慮したリフォームである」ことを掲げる自治体が多くあります。その場合、「遮熱性の高い塗料を使うこと」が義務付けられます。

遮熱性の高い塗料とは、「断熱塗料」や「遮熱塗料」を指します。太陽光を反射して熱を遮るため室温を一定に保つ効果が期待できます。エアコンなどの使用頻度が下がり、「ヒートアイランド現象」や「地球温暖化」といった環境問題の改善にもつながります。

2-1 ヒートアイランド対策リフォーム(遮熱塗料を使用)

ヒートアイランドは、都市部の気温がその周辺部に比べて高くなる現象で、大きな問題になっています。その主な原因は、自然が失われてビルなど人工物が土地を覆うことと、人間の生活や活動に伴う排熱とされています。

人間の生活や活動に伴う排熱に対しては、省エネの推進が叫ばれてきました。
その1つの方法として、遮熱塗料を使うことが注目を集めているのです。遮熱塗料は外気を遮断し、夏は涼しく冬は暖かい状態を実現できます。エアコンを多用しなくても快適に過ごせるため、エコな住空間が実現できます。

2-2 エコリフォーム (断熱性能を高める)

エコリフォームの1つは省エネに該当するもので、天井や壁、床などの断熱リフォームを指します。オール電化を筆頭に、節水型トイレや高断熱浴槽、二重サッシあるいは複層ガラスへの改修などがこれに該当します。
また太陽光発電や燃料電池のように、エネルギーを生み出す設備を取り入れる方法もあります。

もう1つは、自然素材を使ったリフォームです。湿度のコントロールをしてくれる珪藻土や天然木、シックハウス症候群になりにくい素材を使うことで健康的な暮らしを実現できるのです。

3 . 申請の流れ

助成金を受け取るのは工事終了後ですが、申請は工事に取り掛かる前に済ませておく必要があります。自治体によって予算の上限があり、申請数が多い場合は先着順になってしまいます。あらかじめ条件や方法を把握しておき、速やかに申請を済ませましょう。

3-1 助成金制度の内容を確認する

条件や申請方法は、自治体によって異なります。まず、工事が申請条件に該当するかどうかを確かめるために、自治体のホームページで確認してみましょう。
一般的には、「省エネ工事」「断熱工事」であることが条件とされています。そのためには遮熱塗料や断熱塗料の使用が求められますが、自治体によってはさらに細かく塗料の種類が分類されている場合もあります。
必要な書類も、自治体ごとに異なります。工事に関する見積書はもちろん、施工前の建物の写真や、税金が未納でないことを証明する書類が必要となる場合もあります。手続きを円滑に進めるためにも、助成金制度の申請については詳しく把握しておきましょう。

3-2 業者に見積もりを出してもらう

助成金の申請には、必ず見積書が必要になります。
申請条件として施工面積や使用する塗料の記述を求められる場合もあるので、専門的な知識のある塗装業者に依頼して、見積書を作成してもらいましょう。また、見積もりは1社ではなく、2~3社以上から取るべきです。
信頼できる業者ならいいですが、中には高額な見積もりを出してくる業者もあります。適正価格を知るためにも、いくつかの業者に依頼して比較してみるのが賢明です。

3-3 自治体に申請する

塗装業者に見積もりを出してもらったら、次は申請の手続きになります。
自治体ごとに必要書類は異なりますが、どんなものを用意すればいいのか例を挙げておきます。

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上記以外にも、求められた書類はすべて揃えなければいけません。不備があれば手続きが遅れ、それだけ支給時期も遅くなります。それどころか、定員オーバーとなり締め切られてしまうことがあるので、確認は怠らないようにしてください。

3-4 承認通知を受け取る

工事が始まるのは「申請後」ではなく、自治体からの「承認後」になります。
承認が下りるまでには、申請から3週間前後かかります。この際、書類に不備があれば訂正して再度提出しなければいけません。条件を満たしていなければ、審査に通らない場合もあります。
確実に承認を得るためにも、制度に詳しい業者を選ぶべきでしょう。制度の利用実績が豊富な業者の方が、有利に働く場合も少なくありません。

承認通知を受け取って、ようやく工事開始となります。

3-5 工事を行う

自治体からの承認を得たら、次に塗装業者と正式に契約を交わします。また後日、自治体から契約書やその写しの提出を求められることもあるので、用意しておきましょう。
工事開始前には、施工前の建物の写真を撮るのも忘れないようにしてください。
完工するまでの期日が決められているはずなので、通知書の内容を遵守した工事日程を組む必要があります。

3-6 工事終了後、自治体に報告書を提出

工事期間は、季節や天候も関わってきますが、およそ10日~2週間程度。終了後には、施工後の建物の写真を撮ります。工事完了報告書に添えて、自治体に提出してください。
ほかにも、領収書などの証拠書類は提出する可能性があるので残しておきましょう。

3-7 施工状況の確認

報告書の提出の後、自治体職員による「完了検査」が入ります。通知された条件を満たしているかどうか、施工状況の確認を行うのです。
すべてを業者任せにするのではなく、自分の目で仕上がりをチェックすることも大事です。まずは、塗り残しや色ムラがないかを見て回りましょう。室外機やガスメーターなどの裏、窓枠などは塗り残しの多い箇所です。塗り残しがあると、耐久性が低下し劣化も早まってしまいます。

足場の解体作業中に、外壁に傷を付けてしまう場合もあります。小さい傷であっても、雨やカビなどの影響を受けやすくなるので、細かい箇所もチェックしておきたいところです。
また、引き渡し後に自分で塗装部分を傷付けてしまうこともあり得ます。業者に補修を依頼すると、それなりの費用を請求されてしまいます。
そこで工事期間中に実際に使った塗料を、空いたペットボトルなどに少し分けてもらっておくといいでしょう。小さな傷程度であれば、自分で簡単に補修することができるからです。
外壁が計画通りの色になっているのかも、チェックするポイントになります。完工後に、「イメージしていた色と違った」というケースも少なくありません。主な原因に、「面積効果」が挙げられます。
面積効果とは、同じ色でも、面積の大きさによって、明るさや見え方に違いが出てくる現象のこと。大きい面積に塗られた色は、小さい面積に塗られた色よりも、明るく鮮やかに見えるのです。

ですから、業者との打ち合わせの段階で見せてもらっていたサンプルの色と、完成後の色とで印象が変わってきてしまいます。
もし、塗り直しをするとなると、工事費用は施工主の負担となります。無駄な出費を抑えるためにも、「大きなサイズの色見本で確認する」「実際にその色を使った建物を見て確認する」などして、色選びは慎重に行ってください。

3-8 助成金の受給

工事完了報告書を自治体に提出し、審査に通過すると、最終的な交付金額や振り込み時期などが記載された「交付確定通知書」が届きます。
交付金額は、施工面積から割り出される場合、全体の工事費用から割り出される場合があります。いずれにしても上限金額が決まっているので、相場の10万~20万円程度ということになります。
受け取りまでの期間は2~3週間、長ければ1カ月ほどかかります。一般的に業者への支払いは、工事完了後の一括払い、もしくは契約時と工事完了の2回払い。この時点ですでに支払いを済ませている場合、費用は一旦全額自己負担となり、後に助成金を受け取る形になります。
金銭に関するトラブルを未然に防ぐという意味からしても、工事代金の支払いは助成金を受け取ってからにした方が無難かもしれません。間違っても先に全額支払うことは避けてください。

4 . 外壁塗装の助成制度を利用する際の注意点

外壁塗装の工事には、かなりの額の費用が掛かります。しかも、10年程度で再び塗り直さなくてはいけません。助成金制度を実施している地域に住んでいる場合、費用の負担を軽減させるためにも、必ず活用すべきシステムです。
申請には自治体ごとの条件があり、申請の方法も異なります。制度の利用を見越して予算を組んだものの、条件を満たせず利用できなかった場合は大きな負担を抱えることになります。また、便利な制度なだけに、悪用しようとする業者も存在します。

安心して制度を利用できるよう、注意点をご紹介しておきましょう。

4-1 申請には詳細な見積書が必要

助成制度を利用する際は、塗装業者の出す見積書の提出が必須となります。優良な業者であれば、適切な見積書を作成してくれるでしょう。
しかし、優良かどうかは、素人目には分かりにくいところです。そこで、「相見積もり」を取ります。いくつかの業者に依頼して、複数の見積もりを取るのが相見積もりです。見積書を比較することで適正価格を把握できるだけでなく、工事内容の比較もできますので、最低でも2~3社以上には依頼しましょう。

相見積もりで大切なことは、他社の見積もり金額を教えないこと。大切なのは、工事内容を比較することです。

見積書の詳しい内容にも、目を通しておく必要があります。作業内容が具体的に書いてあるかをチェックしてください。優良な業者であれば、段階的に施工される詳しい工種が記されているはずです。中には「塗装作業一式」というような表記を見かけることがあります。この場合は必ず「一式」に何が含まれているのかを確認しましょう。

工種の中には、「下塗り」「中塗り」「上塗り」といった項目があります。外壁塗装はこの3回の重ね塗りが基本になります。これは、塗料の性能を十分に活かすために必要な3つの塗装工程を意味しています。
塗料の種類によっては2回の場合もありますが、見積書を見て疑問に感じるようなら確認しておくべきです。注意したいのは、塗装回数が明示されておらず、一式表記になっている場合。そうしたときには、必ず塗装内容を確認する必要があります。
また自治体によっては、塗料に指定があるところもあります。ですから、使用する塗料の種類も明示されてなくてはいけません。さらに、「商品名」や「メーカー名」などの記載がしてあるかどうかもチェックしましょう。

4-2 助成金詐欺をはたらく悪徳業者の事例

助成金を受け取るためには、申請方法や条件を把握しておく必要があります。外壁塗装についてもある程度の知識を備えておきたいところですが、専門的な部分まで理解するのは正直なところ難しいでしょう。
残念なことに、そんな依頼者の足元を見て、詐欺をはたらく悪徳業者が横行していることも事実なのです。それではここで、具体的な例をいくつか挙げてみましょう。

(1)訪問営業による詐欺

訪問営業がすべて詐欺という訳ではありませんが、悪徳業者が紛れ込んでいることは確かです。手法として多いのが、不安を煽る方法でしょう。「かなり傷んでいる」「いますぐリフォームすべき」と、あたかも緊急事態であるかのように伝えます。そこで、「キャンペーン期間中」をアピールし、早めに契約することで割引が受けられると勧誘します。

助成金についても知らない人が多いはず。業者は、「助成金が受けられる」と対象者に有益な情報を与えます。自治体から10万~20万円の補助が出るとなれば、負担はだいぶ抑えられますから、心は傾くでしょう。こうして悪徳業者は、助成金を口実に契約を迫るのです。

また、中には「契約時に代金を支払えばさらに割引する」と持ち掛ける業者もあります。口車に乗って工事前に支払いを済ませてしまったところ、契約後に業者が行方をくらまして音沙汰がなくなるというケースもあります。

(2)適正でない見積書を出す

塗装工事には定価がありません。工事に必要な工程や材料などの単価は、各業者が設定したものになるため、素人目には、出された見積もりが適正なものかどうかを判断するのは容易ではありません。見積書に「塗装作業一式」と、具体的な工程が記されていない、ひとまとめにするような表記がある場合は要注意です。
例えば、足場の設置や養生作業などは、必ず入っていなければいけない工程です。当然のごとく、「塗装作業一式」の中に含まれていると思うはずです。
しかし、書かれていなければそれまで。工事の際に聞いても、「別料金です」との答えが返ってくるかも知れません。それだけに、見積書の中に書かれた「一式」という用語を見つけたときは、ひとまとめにしていい項目なのかどうか疑う必要があるでしょう。

こうしたトラブルを防ぐために有効的なのは、相見積もりを取ること。業者を比較すれば、仮に悪徳業者が混じっていても、見抜くことができるのです。

(3)塗料をごまかす

見積書には、使用する塗料のメーカー名や種類が細かく記載されていなければいけません。ただ、実際にその塗料を使っていたとしても、悪質行為をはたらいて利益を得ようとする業者も存在します。塗料を水で薄め、少ない量で全体を塗り終えようとするのです。
見積もりを出していた量よりも少ない塗料で工事を終え、コストを浮かせることがねらいです。見た目には分からなくても、薄い塗料では十分な効果が得られません。耐用年数も下がり、短い周期で塗り直さなくてはいけなくなります。
こうしたケースを防ぐためには、出荷証明書というものをメーカーから取り寄せることです。メーカーによって仕様の違いこそありますが、出荷証明には、物件名や請負会社名、施工会社名、製品名、色相、規格容量、出荷数量、出荷日などが書かれています。そのため完璧とは言えませんが、不正を防ぐ一役を担うことができるのです。
また、中には塗料缶の中身を入れ替えてしまう悪質な業者もいます。指定された大手メーカーの塗料を使用しているように見えて、実は粗悪な製品を使っていることも。こうした業者に対しても、出荷証明書は効果的です。

少なくとも、その材料を購入しなければなりませんので、よほどの悪意がない限り、買ったものをわざわざ入れ替える可能性は低いからです。

5 . 費用の負担を少しでも減らせるよう、制度を有効に利用しましょう

まずは自治体のホームページで、住んでいる自治体に助成金・補助金の制度があるかどうかを確認してみましょう。制度がある場合は、利用条件や申請方法、支給される金額などをしっかり把握してください。書類の不備などがあって申請が遅れると、先着順により助成金を受け取れない可能性もあるため注意が必要です。

外壁塗装にかかる費用の負担を少しでも減らせるよう、制度を正しく理解し、有効に利用していきましょう。

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