2024-04-18 06:57:22 更新

外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説

外壁カバー工法にかかる費用相場とは?外壁塗装・張り替え工事との違いを解説
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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外壁のカバー工法(重ね張り)とは、古くなった外壁材の上から金属系サイディングを重ね張りすることにより、外壁の耐久性を高めるリフォーム方法を指します。外壁の張り替え工事と比較すると、古い外壁材を撤去・処分する必要がないことから、費用を抑えて外壁の寿命を延ばせるのがメリットです。

しかし外壁塗装と比較すると、外壁カバー工法は費用相場が高額になるため、十分に予算を確保して工事を依頼しなければなりません。

今回の記事では、外壁カバー工法で必要となる費用相場について、高額になる条件や外壁塗装・張り替え工事との違いを含めてご紹介します。

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外壁カバー工法の費用相場は150万円~200万円

外壁カバー工法の費用が変動する条件

外壁カバー工法を施工するメリット・デメリット

外壁カバー工法と外壁塗装・張り替え工事との違い

外壁カバー工法を依頼する時の注意点

まとめ

外壁カバー工法の費用相場は150万円~200万円

外壁カバー工法の費用相場は、30坪ほどの一般的な広さの住宅の場合で、150万円~200万円が目安です。外壁カバー工法の費用は、使用する外壁材や施工方法によっても変動しますが、金額を大きく左右するのは建物の規模です。

40坪・50坪と広い家になるほど作業が必要な外壁の面積が広くなるため、費用相場が高額になる傾向があるのです。また、平屋よりも2階建て・3階建ての方が高所での作業が必要となるため、足場代が上乗せされて費用総額が上昇するケースも多いです。

自宅で外壁カバー工法を依頼した時の正確なリフォーム費用を把握したい場合には、複数の業者から取り寄せる見積書の金額をチェックして確認すると良いでしょう。

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外壁カバー工法の費用が変動する条件

外壁カバー工法は、施工する家の条件によって価格が変動しやすい工事でもあります。ここでは​​外壁カバー工法の費用が変動する条件として、次の4つをご紹介します。

  • 使用する外壁材の種類
  • 施工方法が横張りではなく縦張り
  • 外壁材のデザイン
  • 依頼する施工業者の見積もり

それぞれの条件を踏まえながら、外壁カバー工法を依頼するようにしましょう。

使用する外壁材の種類

外壁カバー工法で使用できる外壁材は、金属系サイディングもしくは樹脂系サイディングが主流です。金属系サイディングには、ガルバリウム鋼板やアルミといった種類があり、樹脂系サイディングを含め、どの外壁材を選ぶかによって単価が異なります。

外壁カバー工法で最も人気なのはガルバリウム鋼板を使った金属系サイディングで、費用相場は1平米あたり9,000円程度。外壁カバー工法で使用できる外壁材の中では最も安価で軽量なので、基本的にはガルバリウム鋼板を選ぶと良いでしょう。

関連記事:外壁材の種類はどれがおすすめ?サイディングの特徴や費用相場とともに解説

施工方法が横張りではなく縦張り

外壁カバー工法の費用相場は、施工方法が「横張り」か「縦張り」かによっても変動します。横張りとは、外壁材を横向きにして上へ並べていくように施工する方法で、縦張りは外壁材を縦向きにして横に延ばすように並べる方法です。

費用相場が安くなるのは横張りのカバー工法で、縦張りの場合は外壁材を支えるための職人が必要になるため、人件費や工期が増加し、費用が高額になる傾向があります。金属系サイディングには、横張り専用・縦張り専用の粗油品が存在するので、使用する外壁材がどちらのタイプなのかをしっかりと確認しておきましょう。

外壁材のデザイン

外壁カバー工法で主に使用される金属系サイディングは、表面に施されたデザインによって単価が異なるため、外壁材のデザインも費用相場を変動させる条件の一つです。一般的に金属系サイディングでは、表面に深い彫りが施された立体感あるデザインほど、使用する素材の量が多くなるので高額になる傾向があります。

そのため一般的なデザインの金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)では約9,000円が相場である一方で、デザイン性に優れた商品を選ぶと1.5倍ほどの単価になるケースもあります。

依頼する施工業者の見積もり

外壁カバー工法には明確な定価が存在していないので、依頼する業者によっても費用が変動することが多いです。外壁材を安く仕入れるルートを持っているか、下請け業者を利用することなく完全自社施工を行っているかといった要素によって、割安な業者と割高な業者が存在しています。

そのため外壁カバー工法を含めた外壁リフォームを依頼する際には、同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼する「相見積もり」が欠かせません。相見積もりによって相場よりも割安で、信頼できる施工業者を選ぶことにより、後悔のない外壁リフォームを実現できるでしょう。

関連記事:外壁塗装の見積もりは何社取れば良い?見積書のチェックポイントと費用相場を解説

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外壁カバー工法を施工するメリット・デメリット

次に、外壁塗装や張り替え工事といった外壁リフォームの中でも、外壁カバー工法を選ぶメリット・デメリットについてご紹介します。

外壁カバー工法を施工するメリット

外壁カバー工法を施工するメリットには、次の3つが挙げられます。

  • 外壁の寿命を延ばせる
  • 費用・工期を抑えられる
  • 断熱性・遮音性が向上する

外壁塗装と比較して、外壁カバー工法は新しい外壁材を重ね張りする工事なので、外壁の寿命を延ばせることがメリットに挙げられます。外壁の劣化が激しい場合には張り替え工事も選択肢となりますが、張り替え工事と比べても費用・工期を短縮できるのが外壁カバー工法の利点です。

また、外壁材が二重になることから、建物の断熱性・遮音性が向上するメリットも得られます。光熱費の節約や、静かな生活環境を実現できることが外壁カバー工法の特徴です。

外壁カバー工法を施工するデメリット

一方で外壁カバー工法のデメリットに挙げられるのは、次の3つです。

  • 下地の補修ができない
  • 耐震性が低下する
  • 内部結露が発生する可能性がある

外壁カバー工法は、古い外壁の上から新しい外壁を重ねる工事なので、傷んだ下地を補修することはできません。外壁の劣化や雨漏りによって外壁の下地・内部が傷んでしまっている場合、そもそもカバー工法を実施できず、張り替え工事が必要となるケースもあります。

外壁の重さが増すことから地震が発生した時に建物が揺れやすくなり、耐震性がやや低下することにも注意が必要です。

また、外壁材を重ねる際には「胴縁」と呼ばれる下地を設置して、外壁の中に空気の通り道を作るのですが、施工不良によって通気性が保たれていないと内部結露が発生して外壁を傷める原因になります。その結果、外壁の寿命を縮めてしまう危険性もあるため、カバー工法の豊富な施工実績を持った業者に依頼することが重要です。

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外壁カバー工法と外壁塗装・張り替え工事との違い

外壁のリフォームには、外壁カバー工法に加えて外壁塗装・張り替え工事といった選択肢もあります。これらの工事の特徴を理解して、自宅に最適な工事内容を選ぶことが外壁リフォームを成功させるコツです。

外壁塗装は、外壁材を保護するための塗料を表面に塗る工事のことを指し、外壁材の寿命を延ばしつつ美観を保つ役割があります。一回ごとの費用相場は比較的安価ですが、遅くとも10年単位でのメンテナンスが必要です。

張り替え工事は、古い外壁材を撤去・処分して新たな外壁材に交換する工事を指します。下地を含めた外壁全体を交換するため、雨漏りが発生するなど外壁の劣化が激しい場合に効果的です。デザインを刷新できて耐震性も落とさないメリットがありますが、費用相場は外壁カバー工法よりもさらに高額となります。

これらの工事内容のうちどれを選べば良いか迷う時には、一度外壁リフォームの専門業者に現地調査を依頼して、外壁の傷み具合をチェックしてもらうと良いでしょう。外壁材の寿命を迎えているが下地の劣化がない場合にはカバー工法、下地を含めた外壁全体の交換が必要であれば張り替え工事が適しています。外壁材の寿命が残っている場合には外壁塗装を依頼することをおすすめします。

関連記事:外壁の張り替えにかかる費用とは?外壁塗装・カバー工法との違いや選び方を解説

関連記事:外壁リフォーム3種類の費用相場!一軒家に最適なメンテナンスの選び方を解説

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外壁カバー工法を依頼する時の注意点

最後に、外壁カバー工法を業者に依頼する時の注意点について、以下の3つを解説します。

  • 依頼する業者は相見積もりを取って選ぶ
  • 内部の腐食が進んでいる場合はカバー工法ができない
  • 使用できる外壁材の選択肢が限られる

これらの注意点を踏まえながら、外壁カバー工法を進めましょう。

依頼する業者は相見積もりを取って選ぶ

外壁カバー工法を依頼する業者を選ぶ時には、1社の見積もりだけで即決するのではなく、複数の業者からの相見積もりを取ることが大切です。相見積もりは、同じ条件・工事内容で複数の業者の見積もりを取ることを指し、業者ごとのリフォーム費用を比較しやすくなるメリットがあります。

また、複数の業者の対応を比べることにより、信頼できる業者選びにも役立ちます。見積書のわかりやすさや工事保証・アフターフォローの内容なども考慮しながら、安心して自宅の外壁を任せられる業者を見極めましょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

内部の腐食が進んでいる場合はカバー工法ができない

外壁カバー工法は、劣化が進んでいない外壁の上から新しい外壁材を設置する工事であり、既存の外壁の劣化が進んでいる場合には施工できない点に注意が必要です。たとえば、外壁のひび割れやコーキングの劣化によって、外壁の内側に雨水が侵入し、腐食が始まっているケースなどが挙げられます。

こうした状態の外壁の上からカバー工法を実施してしまうと、内部の侵食がさらに進んで家全体の寿命を縮める結果となります。そのため外壁カバー工法を検討する際には、まず専門業者の現地調査を受けて、外壁の内側の劣化状況をチェックしてもらうのが大切です。

使用できる外壁材の選択肢が限られる

外壁カバー工法では、外壁材の自由度が高い張り替え工事とは異なり、使用できる外壁材が金属系サイディングに限られるという特徴があります。金属系サイディングの中にもさまざまなデザインの商品が販売されていますが、窯業系サイディングや木質系サイディングを選択することはできず、デザインの幅が狭まる点にも注意が必要です。

もし外壁リフォームを通じて外壁のデザインを一新したい場合には、張り替え工事を選ぶことをおすすめします。

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まとめ

外壁カバー工法にかかる費用は、30坪の家の場合で150万円~200万円が相場です。外壁カバー工法の費用は、使用する外壁材の種類や施工方法、外壁材のデザインによっても変動するほか、依頼する施工業者によっても料金が異なります。

また、外壁カバー工法にかかる費用は、外壁塗装と比べると高額ですが、張り替え工事と比較すると安価になる傾向があります。本記事でもご紹介してきた外壁塗装・張り替え工事との違いを踏まえつつ、相見積もりを活用して信頼できる業者を選びながら、理想の外壁リフォームを実現しましょう。

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