2024-04-18 08:01:53 更新

ガルバリウム屋根のメリット・デメリット解説!費用相場と後悔しない業者選び

ガルバリウム屋根のメリット・デメリット解説!費用相場と後悔しない業者選び
編集者プロフィール
輿石 雅志
1972年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業。40万人以上の方が利用している国内最大級のマッチングプラットフォームを提供する外壁塗装に特化した無料相談サイト「外壁塗装の窓口」を運営。著書に「マイホームの外壁塗装 完全成功読本」(幻冬舎出版)。
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ガルバリウム屋根は、アルミニウムや亜鉛でメッキ加工を施した鉄板を用いる金属製の屋根材です。軽量かつコストパフォーマンスに優れることから、新築はもちろん屋根リフォームの際にも使われることが多く、国内では急速にシェアを拡大している屋根材でもあります。

今回の記事では、新築または屋根のカバー工法・張り替え工事などのリフォームの際に、ガルバリウム屋根を選ぶメリット・デメリットについてご紹介します。ガルバリウム屋根の費用相場や耐用年数、施工を依頼する業者選びのコツについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次閉じる

ガルバリウム屋根とは?

ガルバリウム屋根の費用相場・耐用年数

ガルバリウム屋根のメリット

ガルバリウム屋根のデメリット

ガルバリウム屋根の施工で後悔しない業者の選び方

まとめ

ガルバリウム屋根とは?

ガルバリウム屋根とは、金属製の屋根として有名なトタン屋根の弱点を克服した比較的新しい屋根材で、「ガルバリウム鋼板」という素材を使用しています。ガルバリウム鋼板も高い耐久性とコストパフォーマンスを備える優れた屋根材ですが、現在ではさらに改良を施した「SGL鋼板(エスジーエルこうはん)」が使われることも多くなっています。

ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウム屋根に使われる「ガルバリウム鋼板」の特徴として、鉄板の表面にアルミニウムや亜鉛、シリコンによってメッキ加工を施していることが挙げられます。従来のトタン屋根と比較して高い耐食性を備えており、サビにくく寿命が長いことが最大のメリットです。

また、屋根材として使われるスレート・屋根瓦などと比較して、屋根材本体が非常に軽量なので、建物への負担が少なくなることも大きな特徴です。そのため古い屋根の上に新しい屋根を被せて耐久性を高める「屋根カバー工法」でも使用される機会が多く、国内でのシェアを急速に伸ばしている一因となっています。

現在はSGL鋼板が主流

現在は「ガルバリウム屋根」と言われれば、SGL鋼板を指すケースが多くなっています。SGL鋼板とは、従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えることで、さらに耐食性を高めてサビにくくした素材です。

これまでのガルバリウム鋼板も十分に耐久性が高い屋根材でしたが、鉄の留め具からサビが広がったり、周辺環境によってサビが発生したりするケースがありました。SGL鋼板はそうしたサビにも強い性質を持っているため、屋根材はもちろん、外壁材としても広く採用され始めているのです。

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ガルバリウム屋根の費用相場・耐用年数

続いて、新築や屋根リフォームでガルバリウム屋根を選んだ場合の費用相場、耐用年数についてそれぞれ解説します。

単価6,000円〜9,000円が相場

ガルバリウム屋根の費用相場は、1平米あたりの単価で6,000円〜9,000円ほど。最安レベルとまではいきませんが、屋根材の中では比較的安価な部類であり、高い耐久性を考慮すればコストパフォーマンスに優れた屋根材です。

実際にガルバリウム屋根を施工する際には、屋根材の材料費に加えて足場代・諸経費、古い屋根材の処分費用なども上乗せされます。

古い屋根材を処分して新たにガルバリウム屋根を設置する葺き替え工事では、2階建てかつ約80平米の広さの屋根の場合で、トータルの工事費用として約80万円〜120万円が相場です。古い屋根材の上からガルバリウム屋根を施工するカバー工法の場合には、費用相場として約70万円〜100万円が目安になります。

耐用年数は30年程度

ガルバリウム屋根の耐用年数は30年程度で、25年〜35年ほどで葺き替え工事やカバー工法を検討することが多いです。定期的なメンテナンスを実施することで、40年以上の耐久性も期待できるのがガルバリウム屋根の特徴です。

ガルバリウム屋根の劣化は、サビの発生や飛来物による傷から始まる穴空きによって進むことが多いです。そのため外壁塗装のタイミングなどで定期的に屋根の状態を確認し、サビ止め塗装や穴埋め補修を行うことが、寿命を延ばすポイントです。

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ガルバリウム屋根のメリット

新築または屋根リフォームの際に、スレートや屋根瓦といった屋根材ではなく、ガルバリウム屋根を選ぶメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • 軽量でカバー工法に最適
  • 耐久性に優れる
  • 使用できる家の制限が少ない

それぞれのメリットを順番にご紹介しましょう。

軽量でカバー工法に最適

ガルバリウム屋根は屋根材自体がとても軽量で、スレート屋根の5分の1、瓦の10分の1ほどの重さしかありません。そのため建物にかかる負担が非常に小さく、軽量な屋根材が求められるカバー工法に最適です。カバー工法は屋根全体を交換する葺き替え工事と比較して、工期や費用を抑えられる屋根リフォームなので、安価に屋根のメンテナンスを行いたい場合に適しています。

また、屋根材が軽量であることから、建物の重心が安定しやすく、地震の際にも揺れにくくなる傾向があります。そのため耐震性を高めたい場合にもガルバリウム屋根を選ぶと良いでしょう。

関連記事:屋根カバー工法とは?費用相場とメリット・デメリット、工事できない家の条件も

耐久性に優れる

ガルバリウム屋根は、ほかの屋根材と比べて耐久性に優れており、スレートや瓦のように屋根材が割れたり、はがれてしまったりする心配が少ない屋根材です。ガルバリウム鋼板には吸水性がなく雨漏りが発生しにくいほか、豪雪地帯の雪の重みにも耐えることができます。

金属製なのでサビには弱いですが、耐食性に優れたSGL鋼板を選び、適切なメンテナンスを行っていれば、40年以上の寿命を見込むこともできます。

使用できる家の制限が少ない

ガルバリウム屋根は素材の加工が容易なので、屋根の形状や勾配を問わずに施工できるメリットもあります。複雑な形状の屋根でも問題なく施工できるほか、水捌けの観点からスレート・瓦を使用できない緩やかな勾配の屋根でも、表面が滑らかなガルバリウム屋根であれば施工可能です。

また、屋根の葺き替え工事では原則として、古い屋根材よりも重い屋根材を選ぶことができないため、スレート屋根から瓦屋根へのリフォームなどはNGとされます。一方でガルバリウム屋根の場合、屋根材の中でも最も軽量な部類なので、どのタイプの屋根の家であっても葺き替え工事に対応しているのもメリットです。

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ガルバリウム屋根のデメリット

ガルバリウム屋根を選ぶにあたり、注意したいデメリットには以下の3つが挙げられます。

  • 断熱性が低い
  • 遮音性に劣る
  • 周辺環境によってはサビが発生しやすい

これらのデメリットも考慮しながら、​​ガルバリウム屋根を使用するかどうかを検討しましょう。

断熱性が低い

ガルバリウム屋根で使用されるガルバリウム鋼板自体は、熱伝導率が高い金属製の薄い屋根材なので、断熱性が低いことがデメリットです。屋根が二重構造になるカバー工法の場合はあまり気にならないかもしれませんが、ガルバリウム屋根を使った新築または葺き替え工事では、低い断熱性を補う工夫が必要です。

ガルバリウム屋根の商品の中には、断熱材が一体化された屋根材も販売されているので、やや割高となりますがそうした商品を選ぶのも一つの手段です。ほかにも表面を明るい色で塗装したりするのも効果的なので、施工業者と相談しながら断熱性を高める対策を行いましょう。

遮音性に劣る

金属製の薄い屋根材を使っていることから、ガルバリウム屋根は遮音性にも劣る点に注意が必要です。屋根材の遮音性が低いと、雨音が屋内に響きやすくなり、大雨の時期には雨音に悩まされる可能性があります。

遮音性を重視する場合には、断熱性を高める工夫と同様に、屋根材の裏に制振材を貼るなど遮音性を高める工夫が重要になるでしょう。

周辺環境によってはサビが発生しやすい

ガルバリウム屋根は、使用する家の周辺環境によってはサビが発生しやすくなる点もデメリットです。海に近い沿岸部や、ガスが発生する工業地帯、濡れた枝葉から発生する木酢液の影響を受ける緑の多い地域なども注意が必要です。

こうした条件に当てはまる地域でガルバリウム屋根を使用する場合には、定期的にメンテナンスを行うか、金属製以外の屋根材を選ぶのがおすすめです。

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ガルバリウム屋根の施工で後悔しない業者の選び方

ガルバリウム屋根は耐久性に優れ、コストパフォーマンスが高い屋根材ですが、施工する業者がガルバリウム鋼板の扱いに不慣れで施工不良を起こしてしまうと、早期にサビが発生して寿命を縮める危険性があります。

そのためガルバリウム屋根の施工で後悔しないために、次のような観点から施工業者を選ぶのが大切です。

  • 相見積もりで複数の業者を比較しながら選ぶ
  • 「手入れ不要」とアピールする業者に注意
  • ガルバリウム屋根の施工実績が豊富な業者に依頼する

それぞれのポイントを順番にご紹介しましょう。

相見積もりで複数の業者を比較しながら選ぶ

「相見積もり」とは、施工条件を揃えた上で複数の業者からの見積もりを取り寄せることを言います。屋根リフォームであれば、カバー工法を使用し、特定のメーカーのガルバリウム鋼板を使用したいことを伝えた上で、2社〜3社以上の施工業者に見積もりを依頼すると良いでしょう。

施工条件を揃えることで、見積もり金額の費用内訳を比較しやすくなり、割安な業者を見つけやすくなるからです。複数の業者の営業担当者と話をすることで、信頼できる相手かどうかを見極めることにも役立つので、ぜひ活用してみましょう。

関連記事:外壁塗装では相見積もりが不可欠!費用を抑えて信頼できる業者を選ぶためのポイント

「手入れ不要」とアピールする業者に注意

ガルバリウム屋根は高い耐久性を持った屋根材ですが、手入れ不要・メンテナンスフリーで使用できるほどの完璧な屋根材ではありません。にもかかわらず、施工後の手入れが不要で将来のメンテナンス費用がかからないことを強調してくる場合には、注意した方が良いでしょう。

本記事でも解説してきた通り、ガルバリウム屋根はサビに弱く、経年劣化や周辺環境によっては傷んでしまう可能性も十分にあります。手入れ不要であることをアピールしてくる業者から訪問営業を受けた場合などは、一旦契約は保留し、別の業者の意見を聞いてみることをおすすめします。

関連記事:屋根修理詐欺に要注意!点検商法に騙されない対策と被害に遭った時の対処法

ガルバリウム屋根の施工実績が豊富な業者に依頼する

ガルバリウム屋根のような金属屋根を施工する場合、スレート屋根や瓦屋根を施工する場合とは異なる技術が必要となります。そのため安心して屋根リフォームを任せられる業者を選ぶ際には、ガルバリウム屋根の施工実績が豊富な業者を選ぶと良いでしょう。

ガルバリウム鋼板の扱いに慣れている業者であれば、ガルバリウム屋根がサビる原因の一つである「電食」を引き起こす施工不良を防ぐことも可能です。業者の会社名でホームページや口コミをチェックしながら、信頼できる業者を探してみましょう。

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まとめ

ガルバリウム屋根は、サビに強いガルバリウム鋼板またはSGL鋼板と呼ばれる素材を使った屋根材で、耐久性やコストパフォーマンスに優れた人気の屋根材です。屋根材自体が軽量なのでカバー工法に適しているほか、加工が容易でさまざまな形状の屋根にも施工できるメリットがあります。

一方で断熱性や遮熱性が低いというデメリットもあるので、断熱材一体型の商品を選ぶなど、施工時に工夫が求められる屋根材でもあります。

ガルバリウム屋根の施工で後悔しないためには、相見積もりによって複数の業者の見積もりを比較したり、ガルバリウム鋼板の扱いに慣れている業者を選ぶのが効果的なので、ぜひ実践してみてください。

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